『ボクの殺意が恋をした』「秘密編」開幕で生まれた疑問の数々 “鳴宮美月”の正体を探る

 秘密のない人間なんて、いるんでしょうかーー。何やら怪しげな新ビジュアルを提げて、『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系)「秘密編」が開幕した。8月8日放送の第5話では、明らかになった秘密がある一方で、新たな疑問も生じた。本稿ではその一つひとつを整理していきたい。

 第4話までに発覚しているのが、男虎柊(中川大志)の暗殺ターゲット・鳴宮美月(新木優子)が、実は初恋の相手・葉山葵だったということ。美月に頼まれて身代わりをしていたという。第5話で明らかになったのは、その理由だ。葵は、漫画家デビューと病気の母の治療費を出してもらうことを引き換えに、美月のふりをしていたらしい。

 葵が鳴宮美月ではなかった……ということは、柊が彼女を殺さなければいけない理由はもうないはず。だが、育ての親・丈一郎(藤木直人)の殺害現場の映像には、葵の姿が残っているのだ。

 「これは何かの間違いだ」と頑なに認めようとしない柊の前に、綿谷詩織(水野美紀)が鑑定結果を差し出す。そこに書かれていたのは、「加工・編集・削除等の事実及び痕跡は確認できない」というもの。つまり、フェイク映像の可能性はないということだ(詩織が鑑定書を偽装した可能性もあるが)。

 しかし、柊と話している時の葵は、どうしても嘘をついているようには見えないのだ。「分かるよ、柊くんの気持ち。会いたい人に二度と会えない。辛くて悲しい気持ち」と柊の心に寄り添おうとする彼女が、丈一郎を殺した真犯人だとは信じがたい。

 そうなると、やはり詩織に疑いの目が向いてしまう。葵と柊が考えた本物の美月を誘き出すための罠(美月のふりをしていたことを映画の制作発表の場で暴露するというもの)を実行する日に、殺し屋を雇って葵のことを殺害しようとしたのも、なんだか怪しい。「丈ちゃんを殺したのは、葉山葵。そして裏で糸を引いているのが、鳴宮美月」と言うのならば、葵を殺すのは美月を誘き出したあとの方が良かったのではないだろうか。

関連記事