Netflixが『ポケモン』シリーズを実写ドラマ化! ファンの反応とともに内容を予測

 Netflixが『ポケモン』の実写ドラマシリーズ製作の初期段階にあると、Varietyが報じた(参照:Pokemon Live-Action Series in Early Development at Netflix From ‘Lucifer’s’ Joe Henderson )。同誌によると、ドラマシリーズは映画『名探偵ピカチュウ』(2019年)と同じく実写とCGを融合させた作品となり、人気ドラマ『LUCIFER/ルシファー』(2015年~)のジョー・ヘンダーソンが脚本とエグゼクティブ・プロデューサーを務めるという。Netflixやヘンダーソンからの公式コメントはまだないものの、ネット上ではすでに世界中のファンたちがさまざまな反応を見せている。ここでは、それらファンの声を紹介しつつ、人気を博した実写映画『名探偵ピカチュウ』製作発表時の状況を振り返ってみよう。また実写ドラマ『ポケモン』がどういった作品になるのか、予想していきたい。

Netflix版実写『ポケモン』製作へのファンのリアクション

 Netflixが『ポケモン』実写ドラマシリーズを製作するというニュースに対して、ファンの反応は当然割れている。楽観的な意見には、やはり『名探偵ピカチュウ』の成功が期待を後押ししているものが多いようだ。CGと実写が違和感なくマッチした同作の世界観はファンにも好意的に受け入れられた。SNS上では同作のGIF画像などとともに「(Netflix版も)早く観たい!」というコメントが多く見受けられる。

 

 肯定的な反応のもう1つの理由は、クリエイターに対する信頼感だ。脚本とエグゼクティブ・プロデューサーを務めるとされているジョー・ヘンダーソンは、『ルシファー』以外にも、元天才詐欺師とエリート弁護士のコンビが活躍する『ホワイトカラー』(2009年~2014年)や、現代から60年代にタイムスリップして、ジョン・F・ケネディ暗殺を阻止するSFスリラー『11.22.63』(2016年)などのヒットドラマに関わってきた人物。そんな彼が製作に携わるとあって、そこに期待を寄せる声もある。

 もちろん否定的なコメントも少なくない。その多くは、これまでにもコミック/ビデオゲーム原作の実写作品を手がけてきたNetflixに対する不信感をあらわにするものだ。特に、同じく日本発の人気コンテンツを原作としたオリジナル映画『Death Note/デスノート』(2017年)を引き合いに出すコメントが多く見られる。原作の設定を残しつつも、“天才同士の頭脳戦”という作品の最大の魅力を削ぎ落としてしまった同作は、酷評の嵐にさらされた。同作への低い評価から、「また子供時代の思い出をぶち壊す気か」と怒りにも近い反発を抱くファンも多い。原作をどの程度改変するのか、それがアニメ/ゲーム原作作品実写化のポイントだが、そこを間違えると目も当てられない作品になってしまう。

映画『名探偵ピカチュウ』製作発表時の反応と公開後の反響

 では、実写映画『名探偵ピカチュウ』の製作が発表されたときのファンの反応はどうだったのだろうか。2016年7月にDeadlineが同作の製作を報じた際(参照:Legendary Catches ‘Pokemon’ Live-Action Movie Rights Deal)のファンのリアクションは、正直ポジティブなものとは言えなかった。この報道の前段階として、同年4月にThe Hollywood Reporterがワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、レジェンダリー・ピクチャーズの3社が、『ポケットモンスター』実写映画化権を巡って交渉中だと報じていたのだが、そのときは多くのファンが単純に、いわゆるアニメ版『ポケモン』のような、主人公がピカチュウとともに旅をし、成長していく物語が描かれると考えていたのだろう。それはそれで賛否両論あったが、実写映画が『ポケモン』シリーズのスピンオフにあたるゲーム『名探偵ピカチュウ』を原作としていると判明したときの、ファンの驚きと落胆は相当なものだったようだ。原作となったこのゲーム自体、同年2月に日本でニンテンドー3DS用のダウンロード版が発売されたばかりで、アメリカでの知名度が低かったことも関係しているだろう。「“名探偵ピカチュウ”って誰だよ?」「事件を解決するピカチュウなんて、誰も観たくない」といった声もあった。

 しかしこの状況は、作品の詳細が明らかになるにつれて変化していく。『デッドプール』シリーズのライアン・レイノルズがピカチュウ役(声とモーションキャプチャ)にキャスティングされたことが話題を集め、さらに予告編が公開されると、ファンの反応は一変した。CGで作られたピカチュウが、とにかくかわいかったからだ。モフモフの毛並みと“しわしわピカチュウ”と呼ばれたその表情の豊かさ、そして中年男性の声でしゃべるギャップが、原作ゲームを知らない層、そして『ポケモン』の熱烈なファンというわけではない層にもウケた。そのほかのポケモンも、もとのイメージはそのままに、現実に存在してもおかしくないと思えるようなデフォルメとリアリティの絶妙なバランスで表現され、違和感なく実写の背景やキャストとともに画面に収まっていた。結果的に『名探偵ピカチュウ』は世界興収約4億3,000万ドルを達成し、ビデオゲームを原作とした映画で過去最高額を記録したのだ。

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