『ブラック・ウィドウ』幾度の公開延期を経てついに公開! 2年ぶりのMCU映画の出来は?
ただ、これは仕方のないことではあるが、欲を言えば「2020年に観たかった」というのが正直なところ。ひとつの時代の終わりさえ感じた『アベンジャーズ/エンドゲーム』の大団円、MCUの新たな展開を予期させた『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が公開された2019年。それから2年の間に、世界は全く別のものに変わってしまった。細かいポイントを見ていくと、一昔前の表現だなと感じる部分が少なからずあるのは確かだ。また、これは受けて側の問題ではあるが、MCUのドラマシリーズではもはや当たり前のようになりつつある“サプライズ”に慣れてしまったせいで、多少の物足りなさを感じてしまったのは自分だけだろうか。サプライズのひとつとして期待していたのが、“タスクマスターの仮面の下はどうなっているのか”だったのだが、それがオープニングクレジットに出てくるキャストの名前で想像できてしまったのも少々残念だった(これから観る方はクレジットの文字を凝視しないことをおすすめします)。
少々不満も書き連ねてしまったが、これもMCUへの大きな期待があるからこそ。おそらくその期待には、今後公開が控えている『シャン・チー/テン・リングスの伝説』と『エターナルズ』、そして『Spider-Man: No Way Home(原題)』が応えてくれるのかもしれない。『ブラック・ウィドウ』は、2年の空白を取り戻す上で必要不可欠な作品だった。その意味でも、間違いなく映画館で観るべき作品と言えるだろう。
■公開情報
『ブラック・ウィドウ』
映画館&ディズニープラス プレミアアクセスにて公開中
※プレミアアクセスは追加支払いが必要
監督:ケイト・ショートランド
出演:スカーレット・ヨハンソン、フローレンス・ピュー、レイチェル・ワイズ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2021