『リコカツ』で“ザ嫌な女”役をまい進 田辺桃子が4月期連ドラ3作で見せるふり幅
現在放送中のTBS系連続ドラマ『リコカツ』で永山瑛太演じる緒原紘一に思いを寄せる航空自衛隊航空救護団の副パイロット・一ノ瀬純を演じている女優の田辺桃子。劇中では紘一の妻・咲(北川景子)に静かな敵意を見せるしたたかな女性を好演しているが、本作以外にも同クールで2本の連続ドラマに出演し、まったく違う顔を見せている。
『リコカツ』で演じる純は、紘一が交際ゼロ日で結婚したことを知ると、したたかに妻である咲への攻撃を始める。そのやり方も、キャンプで咲を連れ出し、不可抗力に見せかけ一人置き去りにして森のなかで道に迷わせたり、紘一と咲の家で開かれたパーティーで、手作りの筑前煮とおでんを持参し、料理が苦手な咲に「家庭の味が作れる女」アピールをしたり、勝手に寝室に入り咲に「しっかり尽くしているのか」と説教したりと、咲が反論できないところで完全にマウントを取るなど、ザ嫌な女をまい進する。
一方で、そんな自分の行動に「酷いことをしている」と自責の念を持つ真面目さもある。徹底的に悪者を演じてしまえば、まだホラーにもなるのだが、その中途半端な善の心も、視聴者をよりイラッとさせるところなのだろう。
SNS上でも一ノ瀬は、かなりの嫌われキャラであり、田辺の演技には「いるよね、こういう女性」というリアリティがある。芯のある強い視線と、どこか自信なさげで、うつろいがちな視線の使い分けが、いい意味でしたたかさを醸し出す。ある意味で天然したたかなキャラクターをうまく表現している。一ノ瀬が反感を持たれれば持たれるほど、紘一と咲に感情移入する人が増えるという意味では、素晴らしい助演だと言える。