岡田健史、3度目の刑事役で「戦い方がわかってきた」 『桜の塔』富樫遊馬の“太陽度”

 毎週木曜21時よりテレビ朝日系で放送されている木曜ドラマ『桜の塔』。『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の武藤将吾が脚本を手がける本作は、これまで犯人VS警察の構図を主軸に描かれることが多かった刑事ドラマを、桜の代紋を掲げる警察で巻き起こる“大乱”を抽出し再構築する、新たな警察エンターテインメントだ。

 捜査一課の若手刑事・富樫遊馬を演じてるのは、岡田健史。『MIU404』(TBS系)、映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』に続き、今回が3度目の刑事役となる。リアルサウンド映画部では、岡田にインタビューを行い、これまで演じた刑事役、それぞれの微細な変化や、日本アカデミー賞のスピーチの裏話などについて、話を聞いた。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】

“太陽度が高い”富樫遊馬

ーー岡田さんは短期間に3度も刑事役を演じられていますよね。一見すると同じようにも見えますが、それぞれに微細な変化が感じられます。ご自身で振り返ってどのように分析していますか?

岡田健史(以下、岡田):おっしゃるように全部違うんです。『桜の塔』の制作発表の会見で「似ているようで違う。違うようで同じ」と形容したのですが、「似ているようで違う』というのはわかる人にはわかる部分で、僕の中では、『ドクター・デスの遺産』の沢田と『桜の塔』の富樫は似ているんです。一方で、『MIU404』の九重は唯一、“陰”の気質を持っています。九重は、結果的には良い方向へ向かっていく、血が通った人間に見えますが、ぼくの中では“陰”の方なんです。沢田と冨樫には“陽”の部分があって、その“陽”の中でも、沢田よりも富樫の方が太陽度が高いと言いますか。

ーーその太陽度というのは、どのような部分から差が生まれているんでしょう?

岡田:実を言うと、それは沢田のときでもできたかもしれないことなんです。例えば、今、僕が沢田を演じることになったら、富樫のように太陽度を上げた役作りをすると思うんですけど、『ドクター・デスの遺産』を撮影していた当時、まだ僕は、陽の属性を持った人間を演じる余裕がなかったんです。なので、むしろ今回の『桜の塔』はそれを強めていくことが課題でもあります。では、なぜ沢田のときできなかったかというと、刑事ものということで説明セリフが多い作品だったのですが、その説明セリフに慣れるのに必死だったこともあります。実際に観ると、分かる人には分かりますけど、役のセリフになっていないんです。沢田が「なぜそういうことを言うのか」が、セリフに乗っかっていない。一方で今回の富樫は、沢田を演じたからこそ、ある意味余裕ができていて、さらに役として掘り下げることができているなと感じています。

ーー経験があったからこそ今回の役作りに反映されているんですね。先日、主演の玉木宏さんにもインタビューをしたのですが、今回の武藤将吾さんの脚本は、「説明セリフが多く、文語体のセリフが特徴的だ」といったことをおっしゃっていました。脚本から感じることはありますか?

岡田:僕自身まだまだ未熟で、脚本家の方の分析ができるほど余裕がないんです。今まででは、金子(ありさ)さんや、野木(亜紀子)さん、今回の武藤さんといったように、脚本家さんごとの違いはあるとは感じつつも、そこに僕は立ち入ることはせず、出来上がった台本を見て、その中で、何が言いたいのか、誰の物語なのか、自分はどういう役割なのか、具体的に何をしていくのかを掬い取っていくことを意識しています。

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