『君と世界が終わる日に』S2は“人間同士”のドラマに さらに増した衝撃度とリアリティ
『君と世界が終わる日に』Season2(Huluにて独占配信中)がついに完結を迎えた。人間をゾンビ化するゴーレムウイルスが蔓延した世界を、間宮響(竹内涼真)が恋人の小笠原来美(中条あやみ)と生き延びようと奮闘する本作は、Season2で舞台をシェルター「希望の家」に移して極限状況下の人間模様を描いてきた。
日本テレビ系にて1月期に放送された「Season1」では、来美と生き別れになった響が等々力(笠松将)や佳奈恵(飯豊まりえ)たちと来美を探しながら、安息の地を求めて放浪。ワクチンを研究していた首藤(滝藤賢一)は来美を被験者として利用するが、そこには別の目的が隠されていた。地上波放送の連続ドラマで初の本格的なゾンビアクションは、世界的なパンデミックの現状もあって、かつてないリアリティを持って迎えられた。
宿敵との対決を終えて、猿ノ島で来美と束の間の幸せな時間を過ごす響の前に、自身を知る使者が現れるところからSeason2は始まる。その頃、来美の身に異変が起き……。シェルターで響は紹子(安藤玉恵)と結月(横溝菜帆)、死んだと思っていた父の拓郎(小市慢太郎)に再会する。Season1で仕掛けられた伏線がストーリーを駆動するが、ここでも人間同士の対立をもたらすのはウイルスだ。何者かが敷地内に放ったゴーレムによって、シェルターの平穏な日常は崩壊し、エゴをむき出しにした凄惨な争いが繰り広げられていく。
Season2から登場したキャラクターでは、シェルターを運営する秋吉リゾートの専務・秋吉蓮(本郷奏多)が重要な鍵を握っている。亡き母の美佐子(濱田マリ)を継いでシェルターを統率する若きリーダーは、福島へ旅立った響に代わって物語をけん引。回を追って成長する蓮の姿はSeason2の見どころの一つとなっている。またSeason1でその最期に誰もが泣いたミンジュン(キム・ジェヒョン)と生き写しのキャラクターも登場。新キャラだけでなく、生き残った主要キャストにも見せ場が用意されており、Season1ラストで気になった2人のその後も描かれるなどSeason1を観た人なら2倍楽しめる仕掛けが施されている。
そうは言っても、本作はあくまでゾンビサバイバルもの。主要キャラでも容赦なく殺されるゾンビドラマのジンクスはSeason2でも健在だ。Season1の本郷(大谷亮平)や宇和島(笹野高史)、ミンジュンに続く犠牲者も生まれる。配信限定のSeason2では、地上波で控えめだった残酷描写もオブラート抜きなしで映像化されており、衝撃度が強めであることを付記しておきたい。