玉木宏が明かす『桜の塔』上條漣としての佇まい 「台本が武藤将吾さんからの挑戦状」

 毎週木曜21時より放送されているテレビ朝日系木曜ドラマ『桜の塔』。『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の武藤将吾が脚本を手がける本作は、これまで犯人VS警察の構図を主軸に描かれることが多かった刑事ドラマを、桜の代紋を掲げる警察で巻き起こる“大乱”を抽出し再構築する、新たな警察エンターテインメントだ。

 主人公は、ゆくゆくは自分が警視総監になるため、どんなに汚い仕事もためらうことなく遂行し、野望の階段を駆け上がっていく上條漣。今回リアルサウンド映画部では、上條漣を演じる玉木宏にインタビュー。役作りの過程や武藤の脚本の特徴について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

“静かに強く”をモットーに

ーー制作発表のコメントで“人間ドラマに重きを置いた警察ドラマ”とおっしゃっていたのが印象的でした。玉木さんの中で人間ドラマという部分がこの作品の中で重要な核になっているのかなと。

玉木宏(以下、玉木):基本的に警察ドラマとなると、まず事件が起きてそれを解決するパターンが多いと思うのですが、このドラマはそれも描きつつ、警察内部の権力争いを描いた作品でもあります。そしてその中で、上條漣は23年前に警察官の父親を亡くしてしまっている。その真実にたどり着きたいという部分が、警視総監を目指し、なりふり構わない漣における核になっているのかなと。

ーーそんなクールでフラットだが内に熱さを秘めた上條漣という人物を、玉木さんご自身はどのように演じようと考えていますか?

玉木:フラットという部分は意識しつつも、漣はプロファイリングが使えるので、人の癖や、思っていることを見抜くことができます。なので、自分自身が「無機質に演じなければいけないのではないか」と、窮屈な感じにはなっているといいますか。仕草にしても「唇を触る癖が〜」とセリフで人の癖を指摘したりするので、漣自身が唇を触ることができなくなってしまったり、余分なものを削ぎ落として演じているので、難しいといえば難しいです。でも静かな中に情熱があり、もちろん野心もあるので、“静かに強く”ということをモットーに演じてはいます。

ーーその中で、広末涼子さん演じる水樹爽は、漣の幼なじみで良き理解者という立ち位置です。広末さんとのシーンでは、漣のまた違った一面が見れます。

玉木:そうなんです。でも、爽とのシーンで紐をほどきすぎてしまうと、いわゆる上條漣という人物の特徴がなくなってしまいそうな気もしていて。ベースラインであまり人と馴れ合いにならない人間を作りつつも、爽といるときは、少しだけ崩れる瞬間があるのかなというところを探りながらやっています。

ーー広末さんもそうですが、本作には、重厚な演技をされる共演者の方がたくさんいます。

玉木:撮影が始まって2、3週間くらいなのですが、いわゆる“濃いシーン”が多いです。撮影自体はスムーズに進んでいますが、毎回大変ですね(笑)。熱いキャストの方々が多いので、ただフラットに演じてしまうとその圧に負けがちに見えることもあり、最初は探っている部分がありました。上條漣という人物は、馬を操っている感覚に似ています。馬に乗るときは、ブレーキングをしながら進めていくので、ブレーキをかけながら、アクセルを踏んでいる感じといいますか。そういう状態が作れたらいいなと思っています。

ーーちなみに、今回の現場でこれまでと印象の変わった共演者の方はいますか?

玉木:広末さんは、ガッツリとした共演は今回初めてだったのですが、水樹爽という人間がすごくキラキラしていて、真っ直ぐで人思いな感じが表れるお芝居をされているなという印象があります。やはり昔を知っている幼なじみで、上條漣のことを深く理解しているのは、ある意味、爽だと思うので、面白い対比になっていると思います。