北川景子の起用は3年がかり 他のラブストーリーとは一味違う『リコカツ』の制作背景
要となるのはやはりキャスティングで、植田は「北川さんにやってもらいたかったというのが、3年間かかった理由」と明言。「(咲は)気が強いけど、さみしがり屋」だといい、強がっている先の寂しさを北川に表現してほしかったと打ち明ける。一方、相手役の瑛太については「『最高の離婚』という大名作があるんですけど、(同作で演じた役柄と)真逆の自衛隊キャラみたいなものでやりたくて。瑛太さんは(自身がプロデューサーを務めた)『オレンジデイズ』で知っているんですけど、すごく男っぽいんですよ。そこをドラマで活かせないかと。『SPEC』で加瀬亮さんを起用した発想にすごく似ている」と、“本人の素質を活かしつつ、視聴者が観た時の新しさ”を狙った配役であることを明かした。
さらに北川を「本音をバサバサ言っても許される。バッと言った時に、説得力がある女優さんは他にいない」と称え、「その美女と、瑛太さんが演じる野獣、というところにこだわった」とコメント。泉澤は「キャストが決まってからイメージできることは増えてきたので、2人が言った時におもしろくなるようなことを想像して」と脚本作りを語り、「コメディっぽいところもすごく好きなので、いっぱい入れていきたい。ラブストーリーなので、キュンとする部分とのバランスを大事に書くようにしています」と述べた。
また泉澤は「結婚や離婚は、社会生活を送りやすくするために人間が考えた制度なのに、いつの間にか、その制度によって生きづらくなっている。そういう制度との間で揺れ動く気持ちをドラマの中でおもしろく描ければいいなと思った」とメッセージ。植田は「離婚をしたから不幸とか、結婚するから幸せとか、そういうことを超えた2人のラブストーリーを泉澤さんが紡ぎ出してくれている」と太鼓判を押し、「周りの人がどう思うかとか、国がどう決めているかではなくて、2人が居心地のいい関係であればいいんじゃないかっていう。そういうドラマを作りたかったんだ、というのが途中になって見えてきた」と語った。
今期は、他にも恋愛ドラマが多数放送される。植田は「ラブストーリーを作る難しさは、枷(かせ)がないこと」と前置きた上で、『リコカツ』には「結婚しているけど、離婚しようとしているという枷がある。それがたくさんのラブストーリーと違うところ。ホームコメディ、ラブコメディ、ラブストーリーのハイブリット版ができた」と胸を張る。吉藤は「いろんな世代の方、いろんな個性の方に楽しんでいただけるドラマだと思うので、気楽な気持ちで楽しんでほしい」、泉澤は「脚本に、俳優さん、監督、スタッフのみなさん、音楽などの力が加わって、さらに素晴らしい作品になっていると思う。是非たくさんの方に観ていただきたい」と、それぞれ呼びかけた。
■放送情報
金曜ドラマ『リコカツ』
TBS系にて、4月スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
出演:北川景子、永山瑛太、高橋光臣、白洲迅、大野いと、田辺桃子、中田クルミ、平岩紙、宮崎美子、酒向芳、三石琴乃、佐野史郎
脚本:泉澤陽子
演出:坪井敏雄ほか
プロデュース:植田博樹、吉藤芽衣
主題歌:米津玄師「Pale Blue」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作著作:TBS
(c)TBS