小芝風花の軽やかな一歩に見えたもの 『モコミ』最終話で迎えたそれぞれの“今らしい”結末

 「もしまた萌子美の力が戻ってモノと話せるようになったら、その力を何に使いたい?」ーー祖父の須田観(橋爪功)からの問いかけに、萌子美(小芝風花)だけでなく家族全員が自分なりの答えを出した土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)最終話。さらに萌子美の口から「私、今は“生まれてきて良かった”って本当に思ってるから。お母さんの子どもで良かった」という言葉が聞かれ、母親の千華子(富田靖子)との間にずっとあったわだかまりの解消も描かれた。

 萌子美が見つけた“やりたいこと”とは、「木のお医者さん、樹木医」だった。仙台の先生の下で学ぶために一人暮らしを決意する。前話、ぬいぐるみのトミーを探すために力を貸してくれた樹木の中に弱っている木や病気の木の声が聞こえて、彼らを守りたいと思ったようだ。ある意味、トミーの導きで自分だけの夢を見つけられたとも言えるだろう。

 佑矢(加藤清史郎)は、実家のある静岡に帰り、自分で劇団を立ち上げて、ボランティアで保育園など日本中をまわる公演をやりたいのだと言う。そして、佑矢の考えに「地に足がついていない」と否定的だった兄・俊祐(工藤阿須加)にも心境の変化が起こる。花屋を涼音(水沢エレナ)に任せて、劇団に入って“とにかく演劇がやってみたい”という自分の心の声に従うことにする。しかも、入団したのは佑矢の劇団だ。自分で自分に「花屋を継いだからにはお店を潰しちゃいけないから」と言い訳し、お店のせいで自身のやりたいことから逃げていたと気づいたのだと言う。以前、観に“いいじゃないか、中途半端でも”と言われていたように、何かを選び取り切れない自分を肯定し、“今、やってみたいこと”、期間限定になるかもしれないチャレンジに身を投じてみる覚悟ができたようだ。

 父・伸寛(田辺誠一)も先に一人田舎への移住を済ませ、どんどん家族が巣立っていく様子に、極め付けは萌子美からの痛烈な一言で千華子も自身のことを思い直し始める。一人暮らしを反対する母親に萌子美が真正面から言い放つ「お母さん、今まで何かやったことある? 教師を諦めたのも全部おじいちゃんのせいなの? 本当にやりたかったら、やってたんじゃないの? 何もやったことない人にそんなふうに言われたくない」は相当堪えたようだ。