『美少女戦士セーラームーン』『プリキュア』 今も愛され続ける少女アニメのルーツは?

 かつてゴールデンタイムのテレビアニメで全国の女の子を虜にした『美少女戦士セーラームーン』(1992年)。大人のアニメファンにも人気が及んで、放送は足かけ5年、シリーズ全5作品が制作された。第1シリーズの放送終了から20年以上の時を経て、スタッフを一新した新作テレビアニメ(当初はWeb配信)『美少女戦士セーラームーンCrystal』(2014年)と、その続編劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』前編・後編(2021年)が公開。92年放送のテレビアニメ版を観て育った世代を中心に話題を呼んだ。

 また、2020年に公開された劇場用アニメ『魔女見習いをさがして』は、やはり少女向けテレビアニメとして放送され、人気とともにシリーズ化された『おジャ魔女どれみ』(1999年)の20周年記念作品だ。劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』のように、子供の頃に番組を観ていたハイターゲット層を狙った映画で、思い出に再会するような気持ちで映画館に足を運んだ人も多いと思う。そこで、時代を超えて愛され続ける少女アニメの歴史をたどってみよう。

 前述の『おジャ魔女どれみ』と同じ時間枠で放送が始まったのが『ふたりはプリキュア』(2004年)で、このプリキュアも毎年キャラクターと舞台を変えながらシリーズが継続し、2021年3月から第18作目の『トロピカル~ジュ!プリキュア』がスタートしたばかりだ。

『魔女見習いをさがして』(c)東映・東映アニメーション

 『セーラームーン』、『どれみ』、『プリキュア』に共通しているのが、女の子が不思議な力で変身する、あるいは魔法を使うという点。魔法も変身も、少女アニメとは切っても切れない重要なファクターだろう。そのルーツをさかのぼると、横山光輝の漫画をアニメ化した『魔法使いサリー』(1966年)にたどりつく。現在の東映アニメーションが、まだ東映動画という社名だった頃に制作されたテレビアニメで、放送開始当時はまだモノクロだった(放送途中からカラー化)。『魔法使いサリー』の後番組として『ひみつのアッコちゃん』(1969年)、『魔法のマコちゃん』(1970年)と、この少女アニメ路線は、東映魔女っ子シリーズとして後々まで続いてゆくこととなる。

 『セーラームーン』や『プリキュア』のルーツとなる、魔法少女または魔女っ子と呼ばれる少女アニメの主人公は、出自が大きく2パターンに分かれる。異世界から人間界にやってきたために、最初から魔法が使える少女と、普通の人間の少女が魔法を授かる設定のものだ。『魔法使いサリー』のサリーは魔法の国から、『魔法のマコちゃん』のマコは深海の国から来た設定で、どちらも魔法の力を最初から備えている。『ひみつのアッコちゃん』のアッコや、『花の子ルンルン』(1979年)のルンルンは、魔法のアイテムを授かった人間界の女の子である。『セーラームーン』、『どれみ』、『プリキュア』各シリーズの主人公も、これらと同じくコンパクトやブローチなど、魔法が使えるアイテムを受け取った普通の女の子が変身する。人間界の女の子が魔法で変身する作品に共通する事項として、言葉をしゃべる動物がパートナーになる点が挙げられる。魔法世界からの使者として人間界の少女に変身アイテムを渡すことが多いのだ。スタジオぴえろが制作した魔法少女シリーズ『魔法の天使クリィミーマミ』(1983年)、『魔法のスターマジカルエミ』(1985年)なども、この中に入る。