宇野維正の興行ランキング一刀両断!

遂に『ブラック・ウィドウ』まで! 米ディズニー、マーベル映画も劇場公開と同日配信を決定

 先週の動員ランキングは、2回目の週末を迎えた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(東宝/東映/カラー)が、土日2日間で動員42万3000人、興収6億7900万円をあげて2週連続の1位となった。公開から14日間、3月21日(日)の時点での累計動員は322万2873人、累計興収は49億3499万6800円。前週の週末との興収比は約58%。もともと月曜日公開だったのでこの数字だけで推移を測るのは難しいが、「旧劇」を含めて過去の5作品はわかりやすく「初動型」だった映画版の「エヴァンゲリオン」だけに、この約58%という数字は想定内と言えるだろう。

 ただ、2週前に本コラム(参考:『シン・エヴァ』、緊急事態宣言下ながら興収100億円超え確実のロケットスタート)で予想したように興収100億円を超えるようなメガヒット作品となるためには、現状、客層の広がりが限定されていると言わざるを得ない。3月27日(土)から新しい来場者特典として14人のキャラクターが集合した「シン・ポスタービジュアルカード」が配布されることもあって、リピーターの需要はまだまだ続くだろうが、ここから新規(特に春休みに入った学生)をどれだけ取り込むことができるか? 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』については改めて、今週末の結果をふまえて次回取り上げたい。

 『ラーヤと龍の王国』(先週末は9位)の公開を巡るウォルト・ディズニー・ジャパンと全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)の対立(と言っていいだろう)について書いた前回の記事(参考:ディズニーにとっては因果応報? 『ラーヤと龍の王国』の悲劇)には、大きな反響があった。同記事がアップされた数日後、本国のウォルト・ディズニー・スタジオから、ずっと懸念していたさらなる決定的な発表がおこなわれたので、今回も引き続きディズニー及びディズニープラスの動向について取り上げることにする。

 3月23日(日本時間3月24日)、本国のウォルト・ディズニー・スタジオは全米公開を5月7日(日本公開は4月29日)に予定していたマーベル・シネマティック・ユニバースの最新映画『ブラック・ウィドウ』の公開を7月9日に延期すること、そしてその同日にディズニープラスのプレミアアクセス(月々の料金とは別に29.99ドル)で配信することを発表。また、5月28日に全米公開予定(日本も同日公開)だった『クルエラ』は公開日に変更はないが、こちらもディズニープラスのプレミアアクセスで同日配信することを発表した。ディズニープラス関連の動きとしては他に、6月18日に全米公開予定(日本も同日公開)だったピクサーの新作『あの夏のルカ』の劇場公開が見送られて、ディズニープラスでの独占公開(こちらは月々の料金の通常サービス内での配信となる)になることも発表された。

 他に、『フリー・ガイ』が5月21日から8月13日に、マーベル・シネマティック・ユニバース作品の『Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings』が7月9日から9月3日に、『Deep Water』が8月13日から2022年1月14日に、『キングスマン:ファースト・エージェント』が8月20日から12月22日に、『ナイル殺人事件』が9月17日から2022年2月11日に延期されることも発表された。8月以降の劇場公開となるこれらの作品に関しては、今のところディズニープラスでの展開についての発表はない。これまでのディズニーの動きから推測できるのは、引き続きディズニープラスにおける新作映画配信の「実験」結果をふまえた上で、公開の直前になって最終的に判断するのであろう、ということだ。