倉悠貴、清原果耶と重なる折り返し地点での朝ドラ登場 『おちょやん』ヨシヲ役の存在感

 そんな手の負えないヨシヲを説得しようと動いたのが一平。千代と出会った9歳の頃からの昔話しをヨシヲに始める。岡安でお茶子として下働きしていた時も、テルヲのせいで道頓堀にいられなくなった時も、役者になって撮影所をクビになった時も、千代の心にいつもいたのはヨシヲだった。「お前のためなら死ねるてな」「この世の中でお前のこと誰よりも思てたんは間違いのう、千代や」。長い時間一緒に千代と過ごしてきた一平の言葉は重い。同じ年月の間、人のことなんかどうでもいいと一人で過ごしてきたヨシヲとは違い、一平も、そして千代も人を思って生きてきた。その相手が自分だったというのだからズシリと心に響くのも尚更だ。

 ヨシヲはえびす座にて、マッチを擦って火をつけようとする。ゆらゆらと浮かぶのは千代の顔。そうしている間に風が吹いて、火が消える。そこに現れたのは、マットン婆さん姿の千之助(星田英利)、そして間一髪間に合った千代と一平だ。一平の言葉、千代の思いを聞き、ヨシヲは何を思うのか。『おちょやん』の明日が晴れであることを祈りたい。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00~8:15、(再放送)12:45~13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30~7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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