竹内涼真と笠松将の運命を分けたもの 『君と世界が終わる日に』を支えるキャストの一体感

 同じ船に乗り合わせた不可避的なニュアンスを持つ「運命共同体」という言葉は、運命をともにする意思によってしか成り立たない。「正しい人よりも信じられる人についていきたい」と佳奈恵(飯豊まりえ)は話す。皮肉なことに、その決断は等々力を線の向こうに追いやり、響たちはテロリストとして逃げ続けることになる。

 ゴーレムとの戦いが人間の持つ業をあぶり出す、という『君と世界が終わる日に』のテーマ性が徐々にはっきりしてきた。生き残った人々や自衛隊、ワクチンを作るという大義名分の下で、来美(中条あやみ)を利用しようとする研究所の首藤(滝藤賢一)たち。暗躍する首藤は響の父を知っているようで、両者のつながりが鍵になりそうだ。また避難区域という線の向こうを目指す響に、坪井は前途が安全とは限らないことを示唆していた。

 混沌とした本作の世界観にあって、目下、制作チームとキャストの一体感が最大の癒しである。竹内と放浪グループの面々は、ドラマでも家族のような雰囲気を身にまといつつあるが、撮影の合間に届けられる舞台裏の様子やSNS配信で見られるキャストの素顔から、チームワークの良さが伝わってくる。それらを見ながら、フィクションと現実の違いを噛み締めている。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『君と世界が終わる日に』
Season1(全10話):日本テレビ系にて毎週日曜22:30〜放送
Season2(全6話):Huluにて、3月配信開始
出演:竹内涼真、中条あやみ、笠松将、飯豊まりえ、大谷亮平、笹野高史、マキタスポーツ、安藤玉恵、横溝菜帆、鈴之助、キム・ジェヒョン、滝藤賢一
脚本:池田奈津子
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee
主題歌:菅田将暉「星を仰ぐ」(Sony Music Labels Inc.)
制作:福士睦、長澤一史
チーフプロデューサー:加藤正俊、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、鬼頭直孝、伊藤裕史
協力プロデューサー:白石香織
演出:菅原伸太郎、中茎強、久保田充
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ、HJ Holdings,Inc.
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
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