大倉忠義、『知ってるワイフ』でダメ夫を好演 広瀬アリスの地雷を踏みまくっては爆発させる

 もう一度、過去をやり直すことができたなら……。そんな“もしも”を描いた作品『知ってるワイフ』(フジテレビ系)が1月7日に放送を開始した。本作は、「結婚生活はこんなはずではなかった」という思いを抱える恐妻家の主人公が、過去にタイムスリップすることで少しずつ現在を変えていこうとする物語。関ジャニ∞の大倉忠義が甲斐性のない夫・剣崎元春をリアルに演じ、そんな元春を叱咤激励する妻の澪役を広瀬アリスが務める。

 ラブラブな恋愛期間を経て幸せな家庭を作り、かわいい子供に恵まれる。そこに待ち受けているのは家事や育児の分担、親の介護などの問題だ。大なり小なりどの家族にもふりかかることではあるが、夫婦の協力体制や思いやりなしに乗り越えるのは大変だろう。だが元春は夫や父親としての責任感に欠けるばかりか、妻の悩みを聞こうともしない。夜は自分ひとりで趣味のゲームに興じ、挙げ句の果てには大学時代の後輩の沙也佳(瀧本美織)と食事に行って「この人と結婚していたら」などとタラレバで過去を悔やむ始末。こんな元春の姿には、演じる大倉自身も「僕が演じた元春はいい具合に腹が立ちます(笑)」と語るほど(参考:大倉忠義、広瀬アリスの罵倒に「M心がうずく」 『知ってるワイフ』ケンカシーンを回顧)。

 本作での大倉は見事なまでに元春としての情けない姿を演じきると共に、妻に“不快感”を与えている夫の姿を熱演した。銀行員の仕事でミスをすれば困ったような表情を浮かべ、嫌なことがあると友人に愚痴る。愛するゲーム機が壊れてしまい途方に暮れる姿も、なんとも哀れである。そして、妻の地雷を踏みまくっては爆発させることを繰り返すのだ。大倉といえばこれまでに数多くのドラマや映画に出演を果たしているが、『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)での南条役や映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020年)の恭一役での活躍が印象的だ。その繊細な芝居と、表情の変化からは人の心の機微が手にとるように伝わってくる。こうした表現力により、元春が澪に与えるダメージだけでなく、澪が元春に与えているダメージもろとも実にリアルに視聴者に伝えているのだ。

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