下ネタ満載のコメディからファミリー映画まで 俳優ウィル・フェレルの多才な魅力

 また彼は、近年では自身の出演作で製作を兼任する以外に、他作品でもプロデューサーとしてその手腕を発揮している。彼が製作を手掛けた作品はドタバタコメディが中心なのは想像にかたくないが、『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』や『ハスラーズ』、『ブックマート 卒業前夜のパーティーデビュー』など、女性が主人公のものも多いのは意外だ。さらに『サタデー・ナイト・ライブ』時代からの朋友アダム・マッケイの監督作品に関わることもあり、政治ドラマ映画『バイス』のプロデューサーにも名を連ねている。

 ウィル・フェレルは下ネタの多い映画にばかり出演しているコメディアンというだけではない。彼は演技の幅が広く、ファミリー向けの映画やドラマ要素の強い作品にも出演し、その演技力は高い評価されている。さらにプロデューサーとしても活躍の場を広げているのだ。

Netflixオリジナル映画『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』Netflixにて、独占配信中

 そのうえで、2020年には彼が主演を務めるNetflixオリジナル映画『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』の配信も開始された。本作を観ると、やはりフェレルはドタバタのコメディこそが自分の主戦場だと考えていることがわかる。すでに充分なキャリアがありプロデューサー業もこなしているが、まだまだ第一線から退かないコメディアン魂を感じさせる。ウィル・フェレルは、多才ながらもやはり根っからのコメディアンなのだ。

■瀧川かおり
映画ライター。東京生まれの転勤族で、第二の故郷は島根。幼少期から海外アニメ、海外ドラマ、洋画に親しみ、思春期は演劇に捧げる。高校時代に留学していたため、イギリスびいき。大学卒業後、IT企業での勤務を経てフリーライターに。

■配信情報
『エルフ』
Netflixにて配信中
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ウィル・フェレル、ジェームズ・カーン、ズーイー・デシャネル、メアリー・スティーンバージェン、エドワード・アズナー、ボブ・ニューハート

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