『ここは今から倫理です。』生徒役に茅島みずき、吉柳咲良ら 山田裕貴が高柳となったメインビジュアルも
山田裕貴主演ドラマ『ここは今から倫理です。』(NHK総合)のメインビジュアルが公開され、生徒役11名が発表された。
本作は、『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』『いいね!光源氏くん』『閻魔堂沙羅の推理奇譚』などの、NHKよるドラ枠となる学園ドラマ。
雨瀬シオリの異色の学園コミック『ここは今から倫理です。』を、アニメ界でも活躍する劇作家・高羽彩の脚本で実写ドラマ化。日々価値観が揺さぶられ「万人の万人に対する闘争」(ホッブズ)が起こり続けるこの世界に、新時代のあるべき「倫理」を問う。
自傷行為、深夜徘徊、いじめ、ドラッグ、合意のない性行為。悩みに押し潰されそうになった生徒たちに、謎の教師・高柳が倫理と哲学の言葉を投げかける。一見退屈に思える「倫理」の教科書に書かれた先人たちの言葉が、現代の高校生によって読み替えられ、人生をサバイバルするための鋭い武器に変わる。「よく生きる」(ソクラテス)とは何か。高柳は生徒に寄り添い、問いかけ、悩み続ける。生徒たちが見出すのは救いか、それとも……。
公開されたビジュアルでは、山田演じる高柳が教室で授業を行う姿の一瞬が切り取られている。このドラマで扱う問題は、“いま”日本社会で現実に起きていること。その生々しさを表現するため、写真家の中村力也が、高柳の姿を自然光の中フィルムカメラで撮影した。
高柳の倫理の選択授業を受ける生徒を演じるのは、茅島みずき、池田朱那、池田優斗、川野快晴、渡邉蒼、浦上晟周、吉柳咲良、杉田雷麟、板垣李光人、中田青渚、犬飼直紀の11名。彼らは実際の高校生世代を中心に何度もオーディションを重ねて選ばれた。
また、脚本の高羽彩、演出の渡辺哲也、制作統括の尾崎裕和よりコメントも寄せられている。
コメント
高羽彩(脚本)
小4の頃、宇宙の外には何があるんだろうと考えて眠れなくなったことがありました。そのとき一応、自分なりの答えは見つけたものの、親に話しても友達に話しても私が期待していたようなリアクションは返ってこず(スゴい大発見だね!!的なリアクションを期待してたのに)ひどく落胆したのを覚えています。あれから私は哲学的な問いから目を逸らし続けてきました。必死になって考えたところで、どうせ「正解!」とマルをつけてもらうことはできないんだから、と拗ねたような気持ちで。それなのに本屋で平積みにされた『ここは今から倫理です。』の前で、自然に足が止まりました。タイトルが目から飛びこんできて、脳の隅で小4の私が「これ絶対好きだよ!」と囁きました。読んでみたら、好きでした。常に「正解」を求められることに慣れすぎた私たちは、「正解」に価値があるんだと思いすぎています。けれどこの作品は、「考えることそのものに人間としての価値がある」ということを「学 園ドラマ」という優しい形で思い出させてくれます。好きな作品のドラマ化に自ら関われる幸運に感謝しています。正解の無さ、に疲れた人たちに、この作品が届いてくれることを願っています。
渡辺哲也(演出)
高羽彩さんの作品は、常に話が面白く、そして考えさせられる……物語に期待することは煎じ詰めればその二つなのだと見る度に思わされます。高羽さんと「哲学をテーマにした目の離せない物語だ!」 と、雨瀬シオリさんの漫画で盛り上がったのは2年前。それからタイトルにある「今」が変わっていく中、高羽さんは「考えること」「対話すること」を鮮やかに面白い物語に仕上げてくれました。その脚本を基に、キャストとスタッフも現場で「対話」を重ねています。主役の山田裕貴さんも、普段話すテンションからは想像しがたいですが、会うほどに「高柳」な人。なんだかみんなで楽しく哲学しています。1話29分、青春エンターテイメントです。
尾崎裕和(制作統括)
企画当初は、この社会に「倫理」を問うドラマだと思っていました。でも違いました、問われているのはドラマを作っている私たちでした。雨瀬シオリさんの『ここは今から倫理です。』という原作が投げかける倫理的な問いは鮮やかで……深く重い。脚本の高羽彩さん、主演の山田裕貴さんをはじめとす るキャスト、スタッフみんなで考え続けています。放送が出る最後の瞬間まで、多分放送が終わってからも私たちは考え続けると思います。考え続けることだけが唯一の「倫理」だと信じて。
■放送情報
よるドラ『ここは今から倫理です。』
NHK総合にて、2021年1月16日(土)スタート 毎週土曜23:30〜放送【全8回】
出演:山田裕貴、茅島みずき、池田優斗、渡邉蒼、池田朱那、川野快晴、浦上晟周、吉柳咲良、板垣李光人、犬飼直紀、杉田雷麟、中田青渚、田村健太郎、梅舟惟永、異儀田夏葉、藤松祥子、川島潤哉、三 上市朗、陽月華、山科圭太、木村花代、古屋隆太、成河
脚本:高羽彩
原作:雨瀬シオリ『ここは今から倫理です。』
制作統括:尾崎裕和、管原浩
音楽:梅林太郎
演出:渡辺哲也、小野見知、大野陽平
写真提供=NHK