藤原季節×内山拓也監督『佐々木、イン、マイマイン』対談 「三振かホームランしか狙っていない」
藤原「この映画を観るのが怖かった」
ーー出来上がった作品を観たとき、どんな思いでしたか?
藤原:僕はこの映画を観るのが怖かったです。撮影中に僕が感じていたリアルなものが、言葉でまとめられない、複雑なもので、自分に大きくのしかかっていたものだったので、それが一つの映画として完成するということは、ある意味答えを出す、まとめることになると思っていて。この映画を観てしまうと、僕の言葉にならなかった感情が、まとめられちゃうんじゃないかと思って怖かったんです。だけど実際に映画を観たら、良い意味で何もまとめられていなかったんですよ。「あ、人の感情ってまとめられないよな」っていうのを確かめることができました。
ーー観るのが怖いという感情は、初めてだったんでしょうか?
藤原:少なからずありますけど、ここまではないですね。『佐々木、イン、マイマイン』に関しては楽しみという気持ちはぼなく、不安が大きかったです。とにかく人の手に渡ってほしくないという気持ちがありました。「『佐々木、イン、マイマイン』は僕だけの心の中にあるものだから、外に出したくない」というか……そういう感情、変ですかね? 分かります?
内山監督:分かるよ。その話ずっとしてるもんね。それでいつも取り止めもなく終わる。
藤原:映画を観て一番ホッとしたのは、ラストのエンドロールが流れているときです。「あ、僕の中にある『佐々木、イン、マイマイン』は何も傷つけられることなく世に出るんだな」って。まとめられないものをまとめないまま出してくれることの優しさを受け取りました。
ーー監督にとってはどんな作品になりましたか?
内山監督:僕は自信を持って、自分の代表作にするって決めてやっていたので、岳が不安そうなときとかに「お前のためにやってるんじゃない、俺が作りたい映画を撮るし、俺とお前の代表作にする」と話しました。それは季節にとっても代表作であってほしいと思うし、関わってくれた人たちにとっての1個のきっかけとなる作品にしたいなと思っていて。「三振かホームランしか狙っていない」という話を撮影中に季節としたんです。もしかしたら大コケするかもしれないし、超つまらなくて見せられないものになるかもしれない。けど、それでもいいから思い切って振りかぶって投げられたボールに対して、渾身のフルスイングをしようっていうことをやって撮ったので、そういう意味の作品が出来たと思います。
■公開情報
『佐々木、イン、マイマイン』
新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
監督・脚本:内山拓也
出演:藤原季節、細川岳、萩原みのり、遊屋慎太郎、森優作、小西桜子、河合優実、井口理(King Gnu)、鈴木卓爾、村上虹郎
制作:槇原啓右
プロデューサー:汐田海平
配給:パルコ
(c)「佐々木、イン、マイマイン」
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