『姉ちゃんの恋人』は有村架純の2020年の変化を味わえる? 飾らない“人間味”がコメディに反映

 有村架純の、3人の弟たちを養う肝っ玉姉ちゃんぶりが話題の主演ドラマ『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)。有村が主演を務めた朝ドラ『ひよっこ』(NHK)をはじめ、6作目のタッグとなる岡田惠和のオリジナルストーリーなだけに、有村の魅力が存分に発揮された、温かい作品となっている。

 有村のイメージといえば、その親しみやすさ。『ひよっこ』の谷田部みね子のように、相手を包み込むような優しさと人間味に溢れた役が印象的だ。本作の安達桃子は、過去の両親の事故など背負うものが大きいが、それを感じさせない前向きな明るさが、観ているこちら側も応援したくなるような気持ちにさせる。有村自身にもどこか陰を感じる雰囲気があるのも、こうした役がハマる理由の一つだろう。

 今年の有村は、『太陽の子』(NHK)で、戦争に翻弄された若者たちを描く骨太な作品に出演したり、『中学聖日記』(TBS系)の再放送が話題を呼ぶ一方、春に放送されたドラマ『有村架純の撮休』(WOWOW)では、有村の休日の過ごし方を描いたオムニバス作品で自分の役を演じるなど、有村自身のキャラがフィーチャーされた作品が話題に。

WOWOWオリジナルドラマ『有村架純の撮休』(c)「有村架純の撮休」製作委員会

 『有村架純の撮休』では、優等生ではない素(を思わせる有村)を表に出しており、調子の良いことを言う友人の彼氏を次々と否定したり、自分が出演したドラマを観た後「分かってきたんだよね、世間の男が私に求めるもの。健気に働いてて、自己主張せず、男の一歩後ろをついてくるような女、だいたいこれ」とボヤいたりと、ドラマのイメージとは真逆のやさぐれ感が新鮮に映った。監督の1人である是枝裕和は有村を「陰がある人」と評していたが、どこか明るいだけではない有村が引き出され、これまで以上に人間味溢れる演技だったとも言える。

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