夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗 映画『Red』で輝きを放った役者たち

 何にも執着しなかった塔子と鞍田は愛車のボルボに乗り、命燃やすように逃避行を続ける。ジェフ・バックリィの名曲「ハレルヤ」をバックに描かれる2人の逢瀬は美しく、第三者が介入する余地を与えない。そんな彼らを客観的に見つめるのが、柄本佑演じる小鷹だ。小鷹は飄々とした洞察力のある人間で、鞍田とはまた違った魅力がある。2020年1月期のドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)では、吉高由里子演じる主人公の元彼・尾高を演じ、その包容力で女性視聴者を魅了した柄本。尾高(おだか)沼にハマった方は、必ず本作で再び小鷹(こだか)沼に陥るはずだ。

 そして、女性を絶妙に苛立たせる塔子の夫・真を演じた間宮祥太朗の演技力にも注目したい。真は鞍田や小鷹のような思慮の深さはないが、真人間だ。暴力・暴言をもって、わかりやすく塔子を傷つけたりもしない。けれど、素直すぎるが故にあまりにも無神経な言動が塔子をどんどん蝕んでいく。バラエティでも活躍する間宮は語彙力が豊富でユーモアもあり、どこか上品さが漂う。あらゆる場面に適応する彼のバランスの良さが、無色透明な真の人柄に説得力を持たせていたのだろう。

 他にも、片岡礼子、酒向芳、山本郁子、浅野和之、余貴美子など、ベテラン俳優陣が集結した『Red』。塔子に投げかける母親・陽子を演じた余は短いシーンの中で、「人間って、どれだけ惚れて死んでいけるかじゃないの?」という本作のテーマともいえる台詞を投げかけるシーンは特に印象的だ。

 映画の結末は原作と異なる塔子の決断が、情熱的な赤色の炎に。そして、家族観が日々揺らぐ今を生きる人々の心に灯をともすだろう。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■リリース情報
『Red』
10月2日(金)Blu-ray&DVD発売 ※同日DVDレンタル開始
Blu-ray:5,800円(税別)
DVD:3,800円(税別)
●Blu-ray映像特典
・メイキング映像
・イベント映像集(完成披露プレミア上映会/ 公開直前女性限定試写会/公開記念舞台挨拶)
・予告編集(60秒予告/30秒予告/15秒予告)
●封入特典
・リーフレット(16P予定)
●初回生産分限定仕様
・アウターケース

出演:夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗ほか
監督:三島有紀子
原作:島本理生『Red』(中公文庫)
脚本:池田千尋、三島有紀子
企画・製作幹事・配給:日活
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
企画協力:フラミンゴ
発売・販売元:ポニーキャニオン
(c)2020『Red』製作委員会
公式サイト:https://redmovie.jp/

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