菅田将暉、悪役も演じきる巧みな“顔遣い” 『MIU404』久住役に感じる人間性の深み

 いよいよ最終話が9月4日に放送される『MIU404』(TBS系)。第3話にサプライズ登場を果たした菅田将暉が、終盤には物語の中心に立ち、全てを牛耳る存在になるなんて思いもよらなかった視聴者がほとんどではないだろうか。

 綾野剛と星野源という主演俳優の発表、スタッフクレジットに『アンナチュラル』(TBS系)チーム、米津玄師の主題歌書き下ろしと、それだけでも豪華な布陣に放送前から圧倒され、そこにきての菅田将暉である。プロデューサーの新井順子氏は菅田のオファーの際、“当たってくだけろ”のダメもとで相談し、「面白そうですね」との返事で出演が決まったことを明かしている(参照:キャスティングはひらめき重視? 新井順子プロデューサーが明かす、『MIU404』の全容)。

 現在公開中の『糸』、2019年に放送された『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、以下『3年A組』)など話題の主演作が並ぶ菅田だが、『MIU404』で演じる久住は伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)にとって敵、“悪役”に当たる。そして、主演でないのにも関わらず、この悪役で、俳優・菅田将暉が本領以上を発揮している。

 ライターの鈴木絵美里氏は、久住役を通して、悪役を演じる菅田の演技について、次のように語る。

「『ピンクとグレー』、『ディストラクション・ベイビーズ』、『デスノート Light up the NEW world』、『タロウのバカ』と、これまでダークで狂気的な役を演じてきていますが、本人にワルのイメージがあるわけではないのに、すごく良いんですよね。そして、久住のように『トドメの接吻』(日本テレビ系)でも初めは不思議な役として出てきましたが、本人はラジオやテレビなどでも、隠し事なくなんでも言う人で、正体不明な人だからミステリアスな役の方が合うとかでもなく、そういう役にハマる。菅田さんは、音楽に関してもパンクロックや、オルタナ、アングラに興味があったり、人間のいろんな面を研究して、影があるものへの面白みをいつも吸収している。謎が多く何かを抱えてるような役になると、彼が吸収してきたものを、いろいろと試しながら、楽しんで演じているんだろうなというのが見えます。菅田さんが演じたことで、久住という役が物語に与える影響が大きくなっている可能性もあるのかなと思いました」

 『MIU404』で菅田演じる久住が自身の名前を「クズを見捨てるのクズミや。どう? おもろい? おもろかった? ほなな〜」と言ったときのあの悪そうな表情を覚えているだろうか。菅田は顔の使い方一つをとっても芝居に長けていると鈴木氏は言う。

「菅田さんが、ゲストとして出演した『TOKIOカケル』(フジテレビ系)で、顔の左と右で少し違う特徴があって、ワルな役のときは右を全面的に出したりと自分の顔の作りを研究していると話していました。左側の方が優しげだから、ソフトに行きたいときはそっちをなるべく使ったり、後ろを振り返るシーンのときに、左右どちらから振り向くかを考えたりしているそうで、そうやって顔の向きさえも使い分けたりしているんだなと感心しました。ほっぺたに力を入れて何でも挟めるのが特技と言っていて、表情を柔らかく使えることも役作りの一つとして工夫されている。自身の特性を生かして役作りをする丁寧さも、役によってイメージが変わる菅田さんならではの武器なのではないでしょうか」