グザヴィエ・ドラン、最新作『マティアス&マキシム』の舞台裏を語る メイキング写真も公開

 9月25日に公開される映画『マティアス&マキシム』の監督を務めたグザヴィエ・ドランが、作品のテーマや制作の裏側について明かした。

 第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された本作は、ドラン監督がルカ・グァダニーノ監督作『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受け描いたという愛の物語。『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりにドラン監督が役者として自身の作品に出演し、故郷モントリオールで親しい仲間とともに作り上げた。これまで一貫して描き続けてきた“母と子”というテーマから一新、2人の青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てた。

 マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は30歳で幼なじみ。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった2人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、2人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだが……。

 ドランの故郷であるモントリオールで撮影された本作では、ドラン演じるマキシムの友達役を、ドランの実生活における仲間が演じている。なお、ドランが役者として自身の作品に出演するのは約6年ぶりとなる。

 ドランは本作のキャスティングについて、「友達役の全員が本当の仲間なんだ。僕はこれまで友達、仲間をメインにした映画を作ったことがなかったし、それなりに友達はいたけど、彼らのような仲間はいなかった。20代後半になって仲間ができて、それは映画よりも仕事よりも何よりも大きな僕の目標となった。そして彼らが僕の人生とライフスタイルを変えた。それと共に、僕は彼らにアイデンティティとセクシャリティに関して自問してほしいと思った。自分自身を探って見つけようとするのが 20代前半ならば、20代後半になれば自分自身のことをもっと理解できているはずだから。強く同性に惹かれたとき、どうするか、ということを」と明かす。

 また、本作の大きなテーマでもある友情を描く上でインスパイアされた作品として、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『今を生きる』『再会の時』などを挙げており、特に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』については「非常に重要な意味を持っていると思う。みんな常に傷つけ合っているけど、同時にお互いを守ってもいるんだ」と語っている。

 あわせて公開されたメイキング写真では、笑顔を見せるドランが仲間たちとはしゃぐ様子が切り取られている。

■公開情報
『マティアス&マキシム』
9月25日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、アンヌ・ドルヴァル
配給:ファントム・フィルム
原題:Matthias & Maxime/2019年/カナダ/120分/ビスタ/5.1ch
(c)2019 9375-5809 QUEBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL
公式サイト:phantom-film.com/m-m/
公式Twitter:@mattandmax_jp

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