動画配信サービスはどれがオススメ? Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなど7つを比較検証

 新型コロナウイルスの影響で、全世界規模で映画やドラマ、アニメの視聴スタイルに大きな変化が生じた。家から出られず、劇場は閉鎖……。そんな中、利用者が急増したのが動画配信サービスだ。

 配信大手のNetflixは、米国の利用者が30%以上も増加したとの報もある。国内でも、撮影がストップした今、テレビの番組編成の大半が再放送になり、YouTubeなどとともに、大きくシェアを伸ばしている印象だ。

 しかし、悩ましいのが、各動画配信サービスの特質など、比較が初心者にはなかなか難しい点。Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなどなど……。自分に合っているサービスは、果たしてどれなのか? 比べてみようにも課金はいやだし……と踏み出せない方もいるだろう。

 そこで今回は、主流の有料動画配信サービス計7つをざっくり比較する。おうち時間のお供に、役立てていただければ幸いだ。

7つのサービスの評価一覧

1. Netflix

概要

 2015年に日本上陸を果たした動画配信サービス。競合に比べて後発だが、膨大かつハイクオリティなオリジナルコンテンツでめきめきと頭角を現し、主流サービスへと上り詰めた。テレビのリモコンに「Netflixボタン」を搭載し、渋谷駅に巨大広告を掲示するなど、攻めたプロモーションで認知度を一気に拡大。

 『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『13の理由』など、世界中で人気を博したオリジナルシリーズや、『テラスハウス』『火花』『DEVILMAN crybaby』など、日本オリジナル作品で本サービスを知った方も多いだろう。

料金:◎

 画質や、同時に視聴可能な画面数によって3タイプ用意されており、ベーシックプランは800円、スタンダードプランは1,200円、プレミアムプランは1,800円(いずれも税別)。一人暮らしなどでとにかく安く済ませたければベーシックプラン、2人でシェアするならスタンダードプランのほうがお得……といった具合に、家族構成で使い分けられる。

 携帯電話のキャリアによっては、月々の支払いに組み込むプランもあるため、チェックしてみてほしい。

作品:◎

 他のサービスに比べて、圧倒的にオリジナル作品が多いのが特徴だ。アカデミー賞を獲得した『ROMA/ローマ』や『マリッジ・ストーリー』のような劇映画もさることながら、ドキュメンタリー作品も多彩。料理・アート・セックス・犯罪・動物……なんでもござれだ。暖炉の火を延々と映し出した、“癒し番組”まである。まず間違いなく、観るものがなくて困る、ということにはならないだろう。

使いやすさ:◎

 早送りや巻き戻しのやりやすさ、イントロスキップ機能、予告編の自動再生など、操作性はダントツ。ユーザビリティにおいては、他の追随を許さない。また、ドラマであれば次のエピソードが始まるまでの速度が異常(そのため、時間を忘れて一気見してしまう危険性も……)。

利点や欠点

 これといった欠点は見当たらないが、強いて言うなら作品数が多すぎるがゆえに、何を観ればいいのかわからない点と、日々新作が追加されるため、こちらの視聴ペースが追い付かなくなる部分だろうか。迷った際は、視聴歴を基にした「オススメ作品」や「人気ランキング」を参考にするのがよいだろう。

こんな人にオススメ

 まだ観ぬ面白さを求めている人には、最適なサービスだ。オリジナル作品の充実は、裏を返せば他では見られないということ。劇場公開作品も豊富だが、それらを「もう一度観たい」人よりは、オリジナル作品を浴びるように観たいタイプのほうが合っているだろう。

2. Hulu

概要

 2011年に日本上陸したが苦戦し、2014年からは日本テレビ傘下に。そのため、日本テレビ系列の番組が非常に充実している。国内外の映画に比べて、国内のドラマを地上波と同タイミングで観られる点は、利便性が高い。

料金:〇

 月額1,026円(税込)で、新規登録のユーザーは2週間無料。

作品:◎

 6万本以上のタイトルが見放題。国内ドラマのラインナップが豊富な点は、要注目だ。

 というのも、TBSの配信サービス「Paravi」、フジテレビの配信サービス「FOD」など各放送局の配信サービスは、映画のタイトルが少ないのが欠点。Huluに関しては、国内外のドラマ・映画が満遍なく観られるのだ。

 また、日本テレビ系のドラマのスピンオフ(Hulu限定)や、新作の劇場公開に合わせた関連作を常時アップデートしてくれている点も心強い。例えば、劇場版『名探偵コナン』公開時には、過去作を一気見できるキャンペーンなども行っている。Huluで予習してから映画館に行く、という流れがオススメだ。

使いやすさ:〇

再生時にNetflixのようなこだわり抜いたユーザビリティはないが、作品の探しやすさ、画面の見やすさなど、オーソドックスに使いやすい印象だ。「佐藤健」や「高畑充希」など、役者ごとのまとめなども用意。

利点や欠点

 やはり、作品のバランスの良さが大きな長所といえるだろう。Netflixは洋画や海外ドラマ好きに向けた作りになっているが、Huluは日本映画や国内ドラマ好きにも使い勝手の良いサービスだ。

 洋画であれば、字幕版と吹替版が別々なのは少々難点(Netflixは再生時に切り替えられる)。また、予告編などもないため、概要をざっくり知ってから観たい方には少々不向きかもしれない。

こんな人にオススメ

 国内のドラマ・映画が好きで、洋画もマメに観る人にはぴったり。

3. Amazon Prime Video

概要

 流通サービスのAmazonが始めた動画配信サービス。お急ぎ便を使用できる「Amazon Prime会員」になると自動的に視聴が可能になるため、知らず知らずのうちに使っている人も多いだろう。

 NetflixやHuluとの違いは、「見放題」の作品だけでなく、「都度課金」の作品もあるということ。そのため、観られる作品自体は無限大だ。

料金:◎

 年間プラン4,900円(税込)、または月間プラン500円(税込)。他のサービスに比べて、圧倒的に安いのが特長。しかも、この金額は動画の視聴だけでなく、お急ぎ便や様々な特典込みの値段。Amazonで商品を頻繁に注文する人にとっては、相当お得だ。

作品:◎

 Amazon Prime会員見放題の作品だけでも相当数あるが、「都度課金」で新作や旧作をレンタル・または購入し、さらに「スターチャンネルパック」「dTVアニメパック」などの拡張機能(別途追加料金が発生)を使えば、「観られない作品はない」といえるほどにボリュームアップ。

 オリジナル作品では、『ドキュメンタル』のようなバラエティが人気。洋画好きには、Amazonスタジオの作品(『サスペリア』『パターソン』『モダン・ラブ~今日もNYの街角で~』など)が観られる点、アニメ好きには「ノイタミナ」シリーズの作品が観られる部分が大きいのではないか。

使いやすさ:〇

 こちらも、可もなく不可もない印象だ。ほとんどの作品に予告編がついているのも、ありがたい。強いて言うなら、「新着作品」が分かりにくいため(スマートフォンで観るとかなり下のほうにある)、なんとなくの場所を覚えておくとよいだろう。

利点や欠点

 利点はやはり、自分の趣味・志向を反映させて、自由にカスタムできる部分にあるだろう。Netflixなどのオリジナル作品に興味がなければ、本サービスに入っておくだけでほぼ死角はなく、充実した映画・ドラマライフを送ることができる。

 欠点があるとすれば、新着作品のわかりにくさや、都度課金の作品が混在していること。基本料金だけで楽しみたい場合は、サムネイルについている「Prime」マークを見逃さないことだ。

こんな人にオススメ

 Amazon Primeの利点は、「ライトユーザーもヘビーユーザーも気軽に、或いはディープに使える」点にある。基本料金だけで十分楽しめるが、課金してより深く遊ぶことも可能。そのため、万人向けのサービスといえるだろう。

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