『グッド・ドクター』で触れる山崎賢人の温かみ 現代に向けた再放送のメッセージ

 また、人間の優しさや温かみなどを重視した山崎の芝居によって、本作はより深く、困難に立ち向かうことの重要性を表現できたように感じる。常人では成し得ない能力で患者を救う“個性”を“魅力”に変えられるほど、彼は湊という役を自分のものにしていた。山崎がその後の作品で注目されるきっかけとして、本作で芝居の実力をしっかり見せられた実績は大きな意味を持ったに違いない。

 本作では、湊と同僚、父親との関係など、展開が進むにつれて人との関係性が変化していく様子も描かれる。時の流れの中で、一人の人間が受け入れられ、成長していく様子が丁寧に描かれることで、視聴者は時間の流れと共に、湊の人間関係や環境の変化を体感していく。

 “グッド・ドクターロス”の声から2年、本作は再放送として地上波で放送される機会に恵まれた。これをきっかけにまた、湊の姿に勇気をもらい、懸命に生きることの尊さに触れてほしい。

※『L・DK』の「・」はハートマークが正式表記
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『グッド・ドクター』
フジテレビ系にて、4月9日(木)22:00〜放送
出演:山崎賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、中村ゆり、浜野謙太、板尾創路、柄本明ほか
原作:『グッド・ドクター』(c)KBS(脚本:パク・ジェボム)
脚本:徳永友一、大北はるか
音楽:得田真裕
主題歌:『Hikari』 androp (image world/ZEN MUSIC)
脚本協力:LiLy
プロデュース: 藤野良太、金城綾香
協力プロデュース:西坂瑞城
演出: 金井紘、相沢秀幸、野田悠介
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ

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