14歳のウニの珠玉の日常が描かれる 韓国映画『はちどり』本予告公開

 4月25日公開の韓国映画『はちどり』より、本予告映像が公開された。

 38歳のキム・ボラ監督による初長編作品である本作は、監督自身の少女時代の体験をベースとして、誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた物語。2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ、国内外の映画祭で45を超える賞を受賞した。

 1990年代の韓国で、14歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、何百もの世帯が暮らす無機質な姿をした集合団地で両親、姉、兄と共に生活している。思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていた。ウニの両親は、朝から晩まで小さな店を切り盛りし、厳格な父は子供たちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていた。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う。

映画『はちどり』本予告映像

 公開された本予告は「知っている中で本心まで知っているのは、何人?」というウニが通う漢文塾の女性教師であり、憧れの大人の女性・ ヨンジの問いかけから始まる。全てが気だるく眠気しか起こらない、いつまで経っても馴染むことのできない学校の授業、兄の受験の事ばかりでウニに関心がない家族、ただ過ぎていく単調な日々の中、暇に任せてノートに落書きをしていると「私も漫画が好き」と、ヨンジ先生だけが私の存在に気づき、気にかけてくれた。これまで明かすことのなかった自分の胸の内を、ヨンジ先生だけに少しずつ明かしていくウニ。友人との言い争い、淡い恋愛、わけもなく叫びたくなるような、どうしようもない苛立ち。“世界”となかなか折り合いのつかない自分に、ヨンジ先生は「自分を好きになるには時間が必要だわ」「誰かと出会い何かを分かち合う」「世界は不思議で美しい」と静かに語りかける。14歳のウニの珠玉の日常が詰まった映像になっている。

■公開情報
『はちどり』
4月25日(金)公開
監督・脚本:キム・ボラ 
出演:パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ
配給:アニモプロデュース
2018年/韓国、アメリカ/138分/英題:House of Hummingbird/PG12
(c)2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
公式サイト:http://animoproduce.co.jp/hachidori/

関連記事