「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、かつてリヴァー・フェニックスに憧れていた宮川が『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』をプッシュします。

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』

 21歳という若さで監督・製作・脚本・主演を務めたデビュー作『マイ・マザー』によって鮮烈なデビューを飾ったグザヴィエ・ドラン。以降も、男女3人の関係性を描いたラブストーリー『胸騒ぎの恋人』、10年にわたる男女の愛を描いたメロドラマ『わたしはロランス』、前3作とは方向性を変えてきた心理サスペンス『トム・アット・ザ・ファーム』、『マイ・マザー』のテーマより深化させ自身の作家性を確立させた『Mommy/マミー』、そして“母親”から“家族”へとテーマを広げた第69回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『たかが世界の終わり』と、作品を発表するたびに世界中で大きな注目を集めてきた“若き巨匠”だ。

 そんなドランにとって初の英語作品となるのが、本作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。ドランが8歳の頃に、当時『タイタニック』に出ていたレオナルド・ディカプリオにファンレターを書いたという自身の経験から生まれたという本作で描かれるのは、スターと少年の物語である。

 2006年のニューヨーク、人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が29歳の若さでこの世を去る。自殺か事故か、あるいは事件か、その謎の真相の鍵を握るのは、ルパート・ターナー(ジェイコブ・トレンブレイ)という少年だった。それから10年の歳月が過ぎ、ドノヴァンと当時11歳だったルパートの“秘密の文通”が1冊の本として出版される。今では注目の新進俳優となったルパートが、100通以上の手紙の公開に踏み切ったのだった。さらにルパートは、著名なジャーナリストの取材を受け、すべてを明かすと宣言するが……。

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