『知らなくていいコト』最後の鍵は『エデンの東』? ついに浮かび上がった乃十阿の本性
吉高由里子が主演を務める『知らなくていいコト』(日本テレビ系)が、3月4日に第9話を迎えた。
ケイト(吉高由里子)の父が殺人犯・乃十阿(小林薫)であること、さらに杏南(秋吉久美子)との不倫関係からできた子ということを、野中(重岡大毅)が週刊誌にリークしたことにより、乃十阿は再びマスコミに追われることとなる。そんな乃十阿を尾高(柄本佑)は連れ出し、東京の自身のスタジオにかくまう。今までケイトや尾高を煙たがっていた乃十阿が素直に尾高についてきたのは、「週刊イースト襲撃事件」も重なり、自身を取り巻く事態も変わってきたから。報道によりケイトと尾高の関係性を知った上でスタジオに身を寄せるというのは、ケイトと会うことも想定内ということを意味する。
ついにきちんと対面するケイトと乃十阿。よそよそしい敬語と沈黙は、2人の埋められない距離感を表しているが、水をかけられ追い払われていた頃に比べれば、だいぶ縮まった。「何度かこういう感じで目が合いましたよね」という問いかけから、ケイトは小学校6年生の時、スイミングスクールで杏南に荒っぽくプールにぶん投げられ、今でもそれがトラウマになっていることを話し出す。30年と長い刑務所生活からコンビニのサンドイッチの開け方も分からず、ティッシュを“ちり紙(し)”と呼ぶ乃十阿。「一応会話になっている。焦ることはないのかも」ケイトは心の中でそう言い聞かせる。乃十阿との結婚指輪が挟まった杏南の卒論を見せて、問い詰めることもできた。余裕はないけれど、それが今のケイトのアプローチの仕方だ。
また、ケイトには尾高とのこともある。襲撃事件でケイトを命からがら守り、編集部にもその関係性が再び知れ渡ったケイトと尾高。自他ともに認める最低でウザい野中から「不倫」と咎められるものの、2人の思いは止められることができない。「俺たちのことちゃんと話そう」とケイトに約束する尾高は、車内に離婚届を忍ばせていた。ケイトも乃十阿とのことに尽力してくれる尾高の気持ちに応えようと前に進むことを誓う。
第9話のラストで乃十阿の元弁護士・高村(平田満)から明かされるのが、事件についての新犯人説だ。これはあくまで高村の仮説ではあるが、ハーブティーを入れる母親(乃十阿の元妻)を見ていた息子が、水に草を入れるのはいいことと思い込み、毒草のハリヒメソウを飲料タンクに入れてしまった。つまり、乃十阿が息子をかばい黙秘を続けてきたという推理だ。乃十阿は知的で誠実な人柄。本性と言うべき、乃十阿の優しい佇まいが第9話では見て取れる。