佐藤健の“魔王”ぶり、なぜ惹かれる? 『花男』から『恋つづ』まで“王道ドSキャラ”を徹底解析

 恋愛ドラマには様々なタイプのヒーローが登場する。王子様のように優しく完璧、自分勝手で利己主義だがいざという時に守ってくれる、子犬のように可愛らしい魅力のある……など、昨今は様々なキャラが活躍した。今クールでは『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の天堂浬(佐藤健)や『知らなくていいコト』(日本テレビ系)の尾高由一郎(柄本佑)などが女性ウケのいいヒーロー像として挙げられるだろう。

 特に天堂は、恋愛ドラマで多い“ドS”要素のあるヒーロー。きつい言動でヒロインに当たりつつも、本当は優しく誰よりもヒロインを大切に思う“ドS”キャラは恋愛ドラマではもはや定番。過去にも多くの作品でそのポジションを担った俳優たち/キャラクターにフィーチャーしたい。

ハイスペックドSの天堂浬/『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)

 容姿端麗、医師としての実力も折り紙つきだが、院内では「魔王」というあだ名まで付いている筋金入りのドSキャラ・天堂。天堂はヒロインに対して、仕事でもプライベートでもきつい言動で接するが、実は愛情深く優しい一面も持つ。なんだかんだ言いつつ、七瀬(上白石萌音)を気にかける天堂の姿にキュンとしてしまう視聴者も多いはず。演じる佐藤は柔らかい笑顔を見せる天堂と、ストイックに仕事をする天堂の二面性を器用に演じ分けている。

ドSの金字塔! 道明寺司/『花より男子』シリーズ(TBS系)

 “俺様系”といってパッと思い浮かぶキャラクターこそ、道明寺司ではないだろうか。2005年から放送されたドラマでは嵐の松本潤が演じ、爆発的ヒットとなった。本作では対極のキャラクターとして小栗旬演じる花沢類が登場する。花沢は道明寺と真逆の優しく穏やかな王子様タイプ。対極に位置するキャラクターの投入で、道明寺の個性をより強く打ち出した作品だ。口が悪く、ぶっきらぼうな道明寺だが、どこか抜けていて可愛げのある姿はヒロインのつくし(井上真央)だけでなく、世の女性たちを虜にした。きつい言動とは裏腹に、ヒロインにピュアな恋心を向ける姿はドSキャラの鑑。まさにドSの王道をいくヒーロー像だろう。

ニュージェネレーションな魅力、神楽木晴/『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)

 前述の『花男』の続編として制作された『花晴れ』は、F4が卒業してから10年後の英徳学園を舞台に描かれるラブコメディ。F4の道明寺をオマージュしたキャラクターとして神楽木晴(平野紫耀)が登場した。時代の価値観も変わってか、ドSとしての言動のキツさはややマイルドになり、“天然”ぶりや“ヘタレ”ぶりがグレードアップしたキャラクターに。いずれにしても“ギャップ”が重要な恋愛ドラマにおいて、ヘタレという強烈な個性で視聴者を魅了した。この作品で平野は大ブレイクするなど、『花男』シリーズ同様、影響力の強い作品となった。

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