2019年の年間ベスト企画
年末企画:荻野洋一の「2019年 年間ベスト映画TOP10」 多くの女性監督が充実した作品を発表
現在、多くの女性監督が不十分な環境下でも充実した作品を発表しつつある。今回たった3本しか女性監督作を選び得なかったのは心残りだ。先述の2位『ノーザン・ソウル』、イタリアの新鋭アリーチェ・ロルヴァケルの4位『幸福なラザロ』、そして9位『アトランティックス』(Netflix限定配信)のマティ・ディオップは西アフリカ・セネガルの女優兼監督だ。彼女はクレール・ドゥニ監督『35杯のラムショット』(2009)でヒロインを演じていた。日本の女性監督も多士済々だ。『梨君たまこと牙のゆくえ』の吉開菜央が作る幅のある運動性を筆頭に、『アンダー・ユア・ベッド』の安里麻里、『ホットギミック ガールミーツボーイ』の山戸結希、『まく子』の鶴岡慧子、『ガーデンアパート』の石原海、『21世紀の女の子/ミューズ』の安川有果など枚挙に暇なく、いやむしろそれらは男性監督のあらゆる作品群をすでに超越していると言っても過言ではない。
TOP10で取り上げた作品のレビュー/コラム
・いたずら好きの小妖精に誘われてーー『イメージの本』の観客は“森”の中で前後不覚となる
■荻野洋一
番組等映像作品の構成・演出業、映画評論家。WOWOW『リーガ・エスパニョーラ』の演出ほか、テレビ番組等を多数手がける。また、雑誌「NOBODY」「boidマガジン」「キネマ旬報」「映画芸術」「エスクァイア」「スタジオボイス」等に映画評論を寄稿。元「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」編集委員。1996年から2014年まで横浜国立大学で「映像論」講義を受け持った。現在、日本映画プロフェッショナル大賞の選考委員もつとめる。
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■リリース情報
『イメージの本』
Blu-ray&DVD発売中
Blu-ray コレクターズ・エディション:5,200円(税別)
DVD:3,900円(税別)
<映像特典> ※Blu-ray&DVD共通
・オリジナル&日本版予告編
<封入特典(初回限定)> ※Blu-rayのみ
・復刻版ビジュアル・ブックレット封入
<特典仕様(初回限定)> ※Blu-rayのみ
・リバーシブル・ジャケット(片面はアーティな新デザイン仕様)
監督・脚本・編集・ナレーション:ジャン=リュック・ゴダール
撮影・撮影・製作:ファブリス・アラーニョ
出演(アーカイヴ):バスター・キートン、フランソワ・トリュフォーほか
発売元:レスぺ+コムストック・グループ
販売元:ハピネット
(c)Casa Azul Films - Ecran Noir Productions - 2018