金栗×三島×嘉納の挑戦がコンゴ代表の2人へ 国歌斉唱を通して繋がる『いだてん』のオリンピック
初めてのオリンピックに参加するために、たった2人で日本へやってきた陸上選手のヨンベ(アリオン)とウランダ(マックス)。2人は選手村で食事を出されると、スプーンを手渡す村上(黒田大輔)の手を制止して「練習してきた」と箸で食べ始める。また森西(角田晃広)が必死で聞き取ったコンゴ共和国の国歌を演奏すると、2人は胸を張って歌う。開催国の作法を習い、地球の裏側からやってきたヨンベとウランダ。彼らが歌う国歌に合わせて映し出されたのは、1912年、ストックホルムオリンピックにたった2人で出場した金栗と三島の姿。日本のオリンピック参加が金栗と三島の2人から始まったように、コンゴのオリンピック参加はこの2人から始まるのだ。
スポーツという言葉すら知られていない時代に、ストックホルムオリンピック出場に奮闘する嘉納治五郎(役所広司)の姿が描かれた第1回。そんな治五郎の導きが、金栗と三島という日本人初のオリンピック選手を生み、その物語は1964年の東京オリンピックへとつながった。オリンピックの光と影を丁寧に描き、「韋駄天」のように時代を駆け巡ってきた今作もいよいよ次週が最終回。「時間よ止まれ」のタイトルが表すものはなんだろうか。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/