『G線上のあなたと私』中川大志が波瑠に告白? ついに3人が揃った「G線上のアリア」

 「私、救われてしまいました。あの3人のバイオリンに」

 人生の主軸に置いていたバイオリンを病によって奪われ、絶望の海に放り出されてしまった眞於(桜井ユキ)。その彼女を救ったのは、恋でもなく、仕事でもなく、バイオリンの音色だった。

 火曜ドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)第8話。「親愛なる人々へ」というサブタイトル通り、也映子(波瑠)、幸恵(松下由樹)、理人(中川大志)の家族や友人たちを招き、念願の“3コン(3人のコンサート)“が開かれた。

 「父です」「母です」「兄です」「いとこです」「友人です」……「いつもお世話になってます」と、大好きな人々が一堂に会する。入学式や卒業式、といった人生の節目が多かった子どものころに比べて、大人になるとこんなふうに自分のために笑顔で人が集まる場は意外と少ないことに気づく。もはや結婚式くらいだろうか。その結婚式を終えれば、いよいよきっかけが見つからない。

 だからこそ、幸恵にとっては一層感慨深いものがあったのだろう。バイオリン教室を通じて、自分の人生を取り戻すことができたこと。そんな自分の晴れ舞台を、也映子と理人が諦めずに作ってくれたことを噛み締める。

 「年齢も、立場も、違う3人です。バイオリン教室がなければ、出会うことのなかった3人です。それが、笑ったり泣いたり、ときどきモメたりしながら、弾けない人よりはほんのちょっとだけ弾ける、バイオリン好きの大人になることができました。私も、この歳になって、よもやこんなに若くて、楽しい、仲間が……できるなんて……思ってもみませんでした。ありがとね、也映子ちゃん、理人くん」

 晴れ舞台とは、自分の成長を見てもらいつつ、改めて大切な人に「ありがとう」が伝えられる場なのではないだろうか。職場でも、家庭でもない。うまくなったところで何の役にも立たないし、別にどうしても続けなきゃいけないものでもない。まずいちばん最初に生活から消えるものだと思っていた大人の習いごとのはずだった。だが、そんな「無駄」とも言える大人の習いごとこそ、人生の根幹を見直すきっかけをくれるものだった。

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