福士蒼汰はなぜ“死の運命”が見えた?  『4分間のマリーゴールド』最終回で明かされた“命”のテーマ

 最終回で沙羅が救えるか不安になった時には、今までにないほど激しい福士の芝居から、ヒリヒリとした空気と共にみことが切羽詰まった様子が伝わってくる。さらに自殺しようとする人を諭す場面では、みことが抱えている個人的な心情を他者に強くぶつけることで、乗り越えようとする、みことなりの“あがき”を感じさせる。この作品に真摯に向き合った福士の誠実さがはっきりとわかるシーンとなっただろう。

 みことと沙羅の結婚式では、消防に携わる人が結婚式で着る制服姿に身を包んだみことが凛々しい笑顔を見せた。恋人と結ばれた幸せな新郎という姿だけでなく、みことが救命士としての仕事に誇りを持っている様子が伝わってきて、本作を象徴する綺麗なエンディングだっただろう。沙羅を演じる菜々緒のウェディングドレス姿や、新婦入場で廉と腕を組んでいる様子など、1話から花巻家を応援してきた視聴者にとって思わず目が潤んでしまうシーンが満載であった。本作は、みことと沙羅の恋愛を描きながら、家族の絆、命を向き合うことなど、人間が生きることに密接なテーマが描かれた。大切な人を思い出す心温まるストーリーとなった。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『4分間のマリーゴールド』
原作:キリエ『4分間のマリーゴールド』(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
出演:福士蒼汰、菜々緒、桐谷健太、横浜流星
脚本:櫻井剛
演出: 河野圭太
プロデューサー:橋本芙美
製作: 共同テレビ、TBS
(c)TBS (c)キリエ/小学館
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/4mari/
公式Twitter:@4mari_tbs
公式Instagram:@4mari_tbs

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