菜々緒を救うヒントは“母の愛”? 『4分間のマリーゴールド』にもたらされた一つの希望

 芸術家肌で自由人の理津は、沙羅にとってよき理解者でもあり、時に、さみしい思いを押し殺して関係を保ってきた相手でもある。沙羅から見て魅力的な母の姿と、沙羅が求める母親の愛情との間には大きなギャップがあり、それは沙羅を悩ませた。そんな苦しみを、廉はいつも見守ってきた。故に、理津に辛く当たるのだった。


 第8話では、第7話に廉が家長として責任を果たしてきた裏に、理津の存在があったことがわかる。花巻家が異母兄弟でありながら家族としての結びつきが強い理由は、こうした家庭環境も少なからず影響したのだろう。

 しかし、そんな理律にも子を思う強い気持ちがあった。実際みことは、理津の沙羅に対する熱い愛情に胸を打たれると同時に、みことが救った妊婦の子供が生まれてきた理由に気がつく。みことに重要なヒントを与えたのは、紛れもない母の愛だったのだ。こうして、死、すなわち”終わり”に対して向かっていた花巻家の意識は”生”へと向かう。この方向転換で、果たして沙羅を救うことができるのか。第8話は、沙羅の運命と向き合うに当たって重要な回であった。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『4分間のマリーゴールド』
TBS系にて、10月スタート 毎週金曜22:00~22:54
原作:キリエ『4分間のマリーゴールド』(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
出演:福士蒼汰、菜々緒、桐谷健太、横浜流星
脚本:櫻井剛
演出: 河野圭太
プロデューサー:橋本芙美
製作: 共同テレビ、TBS
(c)TBS (c)キリエ/小学館
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/4mari/
公式Twitter:@4mari_tbs
公式Instagram:@4mari_tbs

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