『なつぞら』奥原三兄妹が絆を取り戻す 藤木直人が戦争に置き忘れたもの
北海道で剛男(藤木直人)は千遥(清原果耶)のてん末を電話で聞く。富士子(松嶋菜々子)、砂良(北乃きい)は柴田牧場でアイスクリーム屋を始めようと夕見子(福地桃子)に相談している。
連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)第149話では、千遥の離婚が成立し奥原兄妹が家族の絆を取り戻した。
千遥の離婚を見届けるために剛男は東京へ向かうと宣言。富士子に「あんたがが行ってどうなるの」と一蹴されるも、「どうもならんかもしれんけど、それには責任があると思うのさ」と食い下がる。信哉(工藤阿須加)が、「千遥ちゃんがまた家族になったら、僕の戦争もやっと終わる気がするよ」と語るように、剛男も戦争に置き忘れたものがある。どちらかが戦死した時は、家族に宛てた手紙を届けると、交わしたなつの父(内村光良)との約束。その手紙が奥原兄妹たちにようやく共有されたことを剛男はまだ知らない。
なつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)は千遥の話し合いの場へ。千遥の育ての親・光山なほ子(原日出子)、千遥の夫・杉山清二(渡辺大)、と義母・雅子(浅茅陽子)がテーブルにつく。戦災孤児という身分を隠して結婚した千遥が明かした幼少期の真実も、雅子は知っていた。そんな千遥を誰よりも支え、応援したのは、義理の父であり、料理屋「杉の子」の親方だった。
「この店の味はあなたの味なの。あなたはうちの人が見込んだ料理人なのよ」と雅子は明かす。千遥も苦境にありながらも、なつと同じように支えてくれる素晴らしい人たちに恵まれ、1人で懸命に生き抜いてきたのだ。清原果耶が体現するなにか抱えたものの一端を感じさせるワンシーンだった。