『なつぞら』天陽くんが天国へ旅立つ 寄り添い続けたじゃがいも畑で迎えた最期

 衝撃的な知らせは突然訪れた。『なつぞら』(NHK総合)第134話では、天陽(吉沢亮)が天国に旅立ったことが明かされた。

 一度帰ってきた自宅から病院に戻る前に、家の畑を見に行った天陽。これまでの生涯の中で一緒に寄り添ってきた畑の土を手に取ると、彼はその温もりを肌で感じ取っているようだった。そして、周りの風景にぼんやりと目をやった天陽は、被っていた麦わら帽子を空高く投げ捨てた後、温かな土で覆われた畑の上にそのまま倒れ込んだのだった。山田天陽の最期である。

 なつ(広瀬すず)は天陽が亡くなったことを、天陽の兄・陽平(犬飼貴丈)から職場で聞かされた。突然のことで衝撃を隠せないなつ。絵のこと、生きることに関して、なつは天陽から多大な影響を受けてきただけに、彼がこの世を去ったことは、きっとなつの心にぽっかりと大きな穴を開けた出来事だったのだろう。

 現在、なつはアニメーションの仕事をしているわけであるが、絵で表現することの素晴らしさは子供の頃から、折に触れて天陽から見せられてきた。絵画作品とアニメーションとではもちろん違うところもあるが、「描く」という行為を通して観る者の心を動かし、何かを伝えられるという点では似通ったところがあるはずだ。

 仕事が一段落すると、なつは夏休みを取ることができ、優(増田光桜)を連れて北海道に戻った。剛男(藤木直人)や富士子(松嶋菜々子)をはじめ、北海道の人々は相変わらず元気そうで、優を可愛がるみんなの姿は何とも微笑ましいものであった。みんなの「お帰り!」の声になつ自身も、心の底からほっとすることができた様子。

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