広瀬すず、『なつぞら』トップクラスの長ゼリフを披露 中川大志との未来は絶たれたのか?

 仲さん(井浦新)も製作に参加し、なんとか完成に漕ぎ着けた『神をつかんだ少年クリフ』。しかし、その興行は不入りに終わる。

 昨日の放送で描かれた仲さんとの和解、そして仲さんが手がけたキアラの熱のこもったデザインを見ると、いやが応にも期待が高まってしまっただけにこの結果はなんとも悲しい。クリエイターたちの情熱とビジネスの成績が必ずしも比例するわけではないことを物語っている。余談だが、実際に1968年に公開された『太陽の王子 ホルスの大冒険』という作品は、製作中断を挟んで完成に3年あまりの時間と当初の2倍の予算をかけたにも関わらず、興行面では失敗という結果に終わった。のちに本作は再評価されており、今では日本アニメーション史を語る上では外すことのできない重要作となっている。

 興行の失敗を受け、坂場(中川大志)は経営陣に呼び出される。井戸原(小手伸也)が「責任は君の暴走を許したこの私にもある。映画部長である私は、その任を解かれることになるだろう。後任は親会社の東洋映画から送り込まれ 我々が自由に企画を決めることはこれでもうできなくなるだろう」と語るように、ともすれば東洋動画の自由な創作環境を奪ってしまうほどの大打撃を与えてしまった。

 社長の山川(古屋隆太)に退職を願い出た坂場は、なつ(広瀬すず)を呼び出し、婚約の解消を申し出る。なつにとっての一番の演出家になりたかった坂場にとって、演出家でいられなくなることは、なつの隣にいる資格を失うことと同義なのだ。

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