山田裕貴、“片思い役”で右に出る者なし!? 『なつぞら』雪次郎と夕見子の気になる恋の行方
また、台湾映画のリメイクである青春もの『あの頃、君を追いかけた』では、齋藤飛鳥(乃木坂46)が演じたヒロインの真愛を思い続ける青年・浩介の、高校時代からの10年間の時の流れを、説得力を伴って体現し、オリジナルに劣らぬ秀作へと導いた。そして『なつぞら』でも、子ども時代に一目ぼれして以降ずっと、まっすぐに夕見子のことを思い続ける雪次郎を演じている。
9月に29歳に、そして来年は芸能活動10周年を迎えようとしている山田。これまで主役に脇に、そしてさまざまなジャンルで幅のある芝居を見せてきたが、雪次郎では軽妙さと温かさをまといながら北海道と東京の空気を繋ぐ潤滑油のような存在になっている。さらに一歩引いて抑えた位置から作品を支える器用さと余裕を感じさせ始めており、役者として味の出てくる30歳以降への期待を十分に抱かせる。だがその前に、幾度も片思いの役を演じてきた山田が演じる、雪次郎のまっすぐな恋のその先も見届けたい。
■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。
■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/