“他人事”である恋愛劇をスペクタキュラーなものに 『台北セブンラブ』が描く“七つの愛のかたち”

 本作は、CMやMVを数多く手がけるチェン・ホンイー監督の長編第三作目だ。鮮やかな色彩感覚と、広告的なスタイリッシュな編集とによって物語は支えられ、豪奢な照明と幻想的なシーンの挿入が、“他人事”である恋愛劇をスペクタキュラーなものにしている。とはいえ、けっきょく、はたから見るとなかなか分からないというのが「愛」の実態であり、本質なのではないだろうか。俯瞰的な立場を取ったときにこそ見えてくるものがあるが、それはやはり、どうしたって滑稽なものとして映ったりする。しかしその熱狂の中にある、人々の切実さと必死さに気がついたとき、見えてくる世界は違っているだろう。それはまた、めまぐるしく表情を変える、彼らの円環が創造(想像)する都市そのものとも換言できる。

 恋愛とはとかく主観的になりがちなもので、他者にとってはその恋愛観が受け入れがたいものであったり、疎ましいとさえ感じさせてしまうこともある。もちろん、その逆もまた然りだ。他人の恋愛話ほど愉快で、また退屈させるものもないだろう。劇中で展開される恋愛論の数々に、ときにうなずき、ときに顔をしかめながら付き合ってみるのも一興である。そこにはなにか探していたものが、思いがけず見つかるかもしれない。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter

■公開情報
『台北セブンラブ』
アップリンク吉祥寺、大阪第七藝術劇場ほかにて全国順次公開中
監督:チェン・ホンイー
出演:アン・シュー、モー・ズーイー、ホアン・ルー、ダレン・ワン、チウ・イェンシャン
配給:台湾映画社
2014/台湾/116分/原題:相愛的七種設計 Design 7 Love
(c)Red Society Films
公式サイト:www.taipei7love.com

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