江口洋介演じるガンテツが貫いた威厳 『ストロベリーナイト・サーガ』謎が残る「左だけ見た場合」

 また、第5話ではのり(葉山奨之)の過去にも含みが感じられる演出がされていた。のりの過去を思わせる映像が流れたり、犯人に暴力を振るわれることを異様に怖がっている様子が描かれている。さらに、ガンテツ(江口洋介)と被害者の意外な繋がりも描かれた。”嫌な奴”として姫川に認識されているガンテツだが、1話に続いて5話でも、ハートウォーミングなエピソードを披露。クールだが情に厚く、面倒見が良いキャラクターを短い出演時間でしっかり主張する江口の力量には敬服する。ぶっきらぼうだが、思わず魅力を感じてしまうキャラクターだ。

 今までは姫川の過去が中心であったが、徐々に菊田やのり、ガンテツのエピソードが盛り込まれ始めている。それぞれの出演シーンは長くないものの、キャラクターの背景は詳細に描かれ、作品からもよく伝わってくる。こうした表現力の高さは、実力のある俳優陣の努力と、演出の器用さによるものだろう。作品も中盤戦に入り、次回以降はどのようにそれぞれのキャラクターの個性が明かされていくのだろうか。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『ストロベリーナイト・サーガ』
フジテレビ系にて毎週(木)22時~放送
出演:二階堂ふみ、亀梨和也、葉山奨之、宍戸開、中林大樹、重岡大毅(ジャニーズWEST)、今野浩喜、菊池桃子(特別出演)、伊武雅刀、山口馬木也、岡田浩暉、江口洋介ほか
原作:誉田哲也「姫川玲子シリーズ」(光文社刊)
脚本:徳永友一、ひかわかよ、関えり香
編成企画:渡辺恒也
プロデュース:山崎淳子
演出:石川淳一、山内大典
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/strawberrynight/

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