『コンフィデンスマンJP』はドラマの映画化における試金石に? “月9→映画化”の成功例を振り返る

 昨年、放送された古沢良太脚本の連続ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)が5月に劇場公開される。本作はダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の三人の信用詐欺師(コンフィデンスマン)が、毎回、悪党から金をだまし取るというクライムサスペンスだ。

 映画版の舞台は香港になるとのことだが、古沢良太の脚本を元に、韓国版の『コンフィデンスマンKR』、中国版の『コンフィデンスマンCN』の制作も決定しており、アジアマーケットを視野に入れたグローバルな展開が予定されていた。物語自体も映画『スティング』を思わせる詐欺師モノだと考えると、映画化は古沢の作り込まれた脚本と相性が良いのではないかと思う。

(c)2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会

 本作は元々、月9(フジテレビ系月曜9時枠)で放送された作品だが、昨年大ヒットした映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』のように、ヒットを受けて映画版を作るという流れは、テレビドラマでは定番化している。

 この流れが定着したのは90年代後半で、もっとも大きな影響を与えたのは刑事ドラマ『踊る大捜査線』の成功だろう。

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 本作は視聴率の面では、当時の大ヒット作とは言えなかったが、細部まで作り込まれたマニアックな作品だったため、繰り返し作品を視聴する熱狂的なファンを生み出し、ドラマ終了後もビデオセールスやレンタルが好評だった。その流れを受けて、スペシャルドラマが作られ劇場映画が大ヒットした。

 リアルタイムでの視聴率は高くなかったものの、再放送等で話題となり後に映画化されるという流れは『機動戦士ガンダム』や『新世紀エヴァンゲリオン』といったアニメ作品で見られた現象だが、マニアックなファンによるオタク的消費がドラマで定着するきっかけとなったのが本作だったといえるだろう。

 『踊る大捜査線』の成功を受けて、ドラマから映画へという流れは常態化しているが、テレビドラマの映画化は大きく分けると二つの傾向がある。

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