賀来賢人が語る、『今日から俺は!!』で芽生えた感情 「この作品で勝ちたいという思いはある」
「福田監督は面白いものを常に作り続けている人」
ーー三橋を演じる上で気をつけていたことはありますか?
賀来:卑怯者という役柄なんですが、それを全面に出してしまうと、受け入れられないこともあるかと思って、ポップというか、可愛らしくするように心がけました。太賀演じる今井と、三橋がライバルのような関係なんですが、その2人の会話もかわいい喧嘩というか、小学生の喧嘩みたいに見えたらいいなと。
ーー撮影の雰囲気はいかがでしたか?
賀来:すごくよかったです。地方で2か月泊まり込みで撮影したので、毎日ご飯に行って「今日のシーン良かったね」とかそういう話をずっとしていました。
ーーそういう意味では高校生に戻ったような。
賀来:そうですね。最近は、同世代や若い世代の役者とお仕事する機会も少なくなってきていたので、若返った気分というか。面白かったです。
ーー初共演となる伊藤健太郎さんの印象はいかがでしたか?
賀来:健太郎は面白いですね。自分が21歳、22歳の時には考えられないような堂々とした役者だと思います。撮影前に、共通の知り合いから「健太郎はすごく良いやつだ」とは聞いていたんですけど、撮影に入ってみたら、すぐ犬みたいに懐いてくれて、すごく可愛かったです(笑)。
ーー撮影中、印象的だったエピソードは?
賀来:エピソードというエピソードはないんですが、みんなでずっとお肉を食べていました。「ステーキ屋集合!」みたいなノリで、撮影終わりにみんなで集まって食べて、くだらない話をして......という時間が楽しかったです。
ーー賀来さんは原作も少年時代に読んでいたとのことですが、脚本を読んだ時の感想は?
賀来:原作が大好きなんですけど、最初お話を頂いた時は正直、実写は難しいんじゃないかと思っていた部分もありました。三橋がものすごく突飛なキャラクターなので、生身の人間が演じるのは無理なんじゃないかと。でも、福田監督が書いた脚本を読んでみると、原作の三橋らしくもあるし、生身で動いていても嘘くさくない“新しい三橋”になっていて、脚本もすごく面白かったんです。だから、「これは絶対できる」と。
ーー福田監督とは、舞台『スマートモテリーマン講座』、ドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』など多くの作品でタッグを組んでいます。
賀来:福田監督は面白いものを常に作り続けている人だから、「こいつ、成長が止まっているな」と思われないように、自分で常に考えて現場に挑んでいます。