佐々木蔵之介、石川恋を正そうとするも“矛盾”に陥る 『黄昏流星群』天秤に掛けられた恋愛とモラル
この作品の優しいところは、誰一人として好意のベクトルが被っている人物がいないので、誰かが傷つくことが避けられている点だ。本作は、誰かと誰かで愛情を奪い合う作品ではない。しかし、恋愛とモラルを天秤に掛けるという一番辛辣な部分をストレートに描いた作品なのだ。そのため、所々にある完治の”逃げ”や、美咲の恋愛観など、賛否両論ありそうなシーンも多い。それぞれが、誰かに愛され、大切に思われているという点では、ある意味幸せな恋愛ドラマとも言えるだろう。だが、実際の恋愛ではこうはいかない。今一度、自分のモラルをしっかり見直そうと気が引き締まる思いにもなる。
幸せだけで終われないのが恋愛である。この後、完治と栞、真璃子と春輝、美咲と戸浪にはそれぞれのけじめが待っている。別れを選ぶか、関係を続けることを選ぶか、選択はそれぞれに委ねられる。ただ、決断は時に苦しいもの。ぬるま湯に浸かった幸せな時間からは一転した展開が待っているだろう。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
木曜劇場『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:佐々木蔵之介、中山美穂、藤井流星(ジャニーズWEST)、石川恋、礼二(中川家)、八木亜希子、小野武彦、黒木瞳ほか
原作:弘兼憲史 『黄昏流星群』(小学館『ビッグコミックオリジナル』連載中)
脚本:浅野妙子
プロデュース:高田雄貴
演出:平野眞、林徹、森脇智延
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/tasogare/