波瑠×西島秀俊が語り合う、初共演作で感じた互いのギャップ 「イメージがすごく変わりました」

波瑠「役者のお仕事ともすごく共通する部分がある」

ーー西島さんは最近シリアスな役柄が多かった印象だったので、今回のコミカルな役柄は確かに新鮮でした。

西島:でも今回は、コミカルな人物というよりは、“ぶっきらぼうな変わった上司”を自分ではやっていたつもりだったんです。なのですが、僕自身も完成した作品を観て、自分が思ったよりも笑っていたのには少し驚きました。それはやっぱり、チームとしての遊園地のメンバーがいい空気だったということですし、本当に面白い人たちだったので、自然と笑っていたんでしょうね。

ーー実際に観てから気付きがあったと。

西島:そうですね。自分の中ではこんなに笑っていなかったんだけどなという感じで(笑)。

波瑠:いや、すごい笑ってましたよ!(笑)

西島:笑ってたんだね(笑)。楽しくその場にいたんだなというのがよく伝わってくるよね。

ーー波瑠さんは役作りにおいて何かやったことはありましたか?

波瑠:私は1人であれこれしようとするのはあまり得意ではないので、監督や共演者の方々、環境などに肉付けしてもらう感じなんです。今回は久瑠美が1人置いていかれるシーンがすごく多いんですけど、周りに悪い人が1人もいないので、久瑠美自身に原因があるようなところもあって。なので、“頑張っているのにかわいそうな女の子”“認めてもらえない女の子”になってはいけないなと思って、「だから悪いんだよ」と言われるところをちゃんと残そうとは意識しました。そしたら、思っていた以上に口を尖がらせていました(笑)すごく嫌そう顔をしているなと(笑)。

ーー劇中では、水を浴びたり高いところに登ったりと結構体も張っていましたよね。

波瑠:遊園地でしかできないことをたくさんやりました。水は被ったし池にも飛び込んだし(笑)。でも特に、高いところに登ったのは、普通は行けないところだったので、ちょっと得した気にもなれました。

ーー遊園地の裏側を描いた今回の作品を通じて、何か初めて知ったことはありましたか?

波瑠:遊園地のお仕事は、お客さんに楽しんでもらうという意味で、私たちのお仕事と似ている部分があるんですよね。従業員の方々が、お客さんに1日を楽しんでもらうために、何年も経験を積み重ねていくというのは、役者のお仕事ともすごく共通する部分があるなと。従業員の方々がいい雰囲気でアットホームな感じでお仕事をやられているのが、撮影にもうまく活きたと思いますし、すごくいい時間でした。

西島:遊園地の従業員の方々はイヤホンをつけているんですが、ある方が「イヤホンには笑いと涙のドラマが詰まっている」と言っていたのが僕は印象的でした。お客さんが楽しんでいるときに、イヤホンの向こうでは実はいろんなことが起こっていて、従業員の方々は、みんな必死でトラブルを解決したり、大変な思いをしながらも、楽しくお仕事をされているというのが分かりました。今回映画を観ていただくと、「遊園地の裏側ってこうなっているんだ」というのが分かっていただけると思うので、そこは楽しんでいただけると思います。あと、僕が演じた小塚はモデルになっている方がいらっしゃるんです。小塚だけでなく、登場人物それぞれモデルになった実在の従業員の方がいて。僕のモデルになっている方は既にもう辞められているんですけど、もしも会いたくなったら、グリーンランドに行けばモデルの方に会えるというのも、実在の遊園地を舞台にしているこの作品ならではのことじゃないかなと思います。

ーー作品を通して、撮影で一番印象に残っていることは何ですか?

波瑠:いろいろありますけど……熊本の夏は尋常じゃなく暑い(笑)。すごくなかったですか?

西島:暑かった(笑)。あと、エキストラの方が本当にたくさん来てくださって、皆さん楽しそうに参加していたのが、やっぱり嬉しかったですね。

波瑠:花火のシーンと、最後の風船のシーンは凄かったですよね。

西島:あれはすごく楽しかったし嬉しかったです。本当に熊本の方たちと1本の映画を作ったという感じで。

波瑠:本当に皆さんの暖かさに支えられていました。

(取材・文・写真=宮川翔/メイク(波瑠)=犬木愛/スタイリスト(波瑠)=福田麻琴/メイク(西島秀俊)=亀田雅(The VOICE)/スタイリスト(西島秀俊)=TAKAFUMI KAWASAKI(MILD))

■公開情報
『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』
10月26日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:波瑠、西島秀俊、岡山天音、深水元基、戸田昌宏、朝倉えりか、久保酎吉、コング桑田、中村倫也、濱田マリ、橋本愛、柄本明
監督:波多野貴文
脚本:吉田恵里香
原作:小森陽一『オズの世界』(集英社文庫刊)
主題歌:「Wonderland」Dream Ami(rhythm zone)
挿入歌:「ストレイシープ」「匿名」神様、僕は気づいてしまった(ワーナーミュージック・ジャパン)
幹事・企画・制作プロダクション:ROBOT
製作:映画「オズランド」製作委員会 
配給:HIGH BROW CINEMA、ファントム・フィルム
(c)小森陽一/集英社 (c)2018 映画「オズランド」製作委員会
公式サイト:ozland.jp
公式Twitter:@ozland_movie

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11月1日(木)

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