「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ザ・プレデター』
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は日々生肉をむさぼるリアルプレデター、ぱこちん石井が『ザ・プレデター』をプッシュします。
『ザ・プレデター』
Netflixにて配信中のアニメ『バキ』を観て、幼少期に抱いた“強さ”への憧れを思い返していたこの頃、そんな思いをさらに増幅させてくれたのが『ザ・プレデター』。ポスタービジュアルのインパクトの通り、いわゆる血みどろなグロテスク表現もある本作(R15指定)ですが、その実態は「友情&努力&勝利」といった少年ジャンプ方程式を思わせる見事な娯楽作でした。
1987年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演作『プレデター』から始まった本シリーズ。超高度なテクノロジーと武器で地球人を“ハント”していく恐ろしい存在であるプレデターですが、ただ人間を駆逐したいだけの存在ではありません。女性や子供、無抵抗の人間には攻撃をせず、強い者には敬意を払い、強さを認めた者には武器の提供まで施す……という武士道精神の持ち主で、「ひたすら強いやつと戦いたい」という、ある意味、孫悟空的なピュアな思考の方々なのです。
筆者は過去シリーズを一作も観ていない(『プレデター』はテレビで放送されているのを横目で観ていた気がしますが)のですが、観ているうちにプレデターに愛おしさを感じてしまいました(宇宙から連れてきたプレデター犬もキモカワです)。
そんなプレデターたちが魅力的な一方で、彼らと相対する地球人チーム、ルーニーズ特殊部隊の面々もとにかく最高なんです。ルーニーズの面々は戦場で心に傷を負った退役軍人たち。“頭がイカれた連中”として社会から居場所を失っています。そんな彼らが自らのアイデンティティを取り戻すべく、団結し強敵に立ち向かっていく。彼らのふざけた会話に笑わせてもらっていた序盤から一転、終盤の展開には胸が熱くならざるをえませんでした。
シェーン・ブラック監督作品の一貫したテーマである「負け続きの奴らがたまには勝つ」。アクション映画でもあり、コメディ映画でもあり、青春映画でもある一作でした。
■公開情報
『ザ・プレデター』
全国公開中
監督・脚本:シェーン・ブラック
出演:ボイド・ホルブルック、トレヴァンテ・ローズ、オリヴィア・マン、トーマス・ジェーン、キーガン=マイケル・キー、ジェイコブ・トレンブレイ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/the-predator/