鈴愛と律の幼少期に重なる2人の子供 『半分、青い。』石橋静河登場で一波乱?

 『半分、青い。』(NHK総合)第20週「始めたい!」では、仙吉(中村雅俊)が息を引き取った。楡野家の大黒柱として在り続けた仙吉は、宇太郎(滝藤賢一)や晴(松雪泰子)、草太(上村海成)や鈴愛(永野芽郁)にとって、何事も打ち明けられる相談相手だった。それは鈴愛の娘・花野(山崎莉里那)にとっても同じ。自分のことを“オーちゃん”と呼ぶ花野の体温を感じながら、仙吉は大往生となる。息を引き取る前に、花野とキツネのぬいぐるみ・ココンタとだけの秘密と、つくし食堂2号店の名前を教えていたことで、楡野家は萩尾家をも巻き込む大騒動へと発展していく。

 花野は、第18週「帰りたい!」からの登場より、とんでもないスピードで物語に馴染んでいく。その物怖じしない性格で、楡野家はもちろん、萩尾家、“3オバ”こと藤村3姉妹にも大層可愛がられていた。初めてのおつかいは、大好きな律(佐藤健)のいる萩尾家に、「“オカサナ”を蒸したやつ」を届けに。そこで、花野は律の口がすべったことにより、母親が漫画家であったことを知る。まだ文字は読めないものの、宇太郎に鈴愛の『一瞬に咲け』を音読してもらっている花野の瞳はキラキラと輝いている。それはまるで、鈴愛が律に借りた秋風羽織の『いつもポケットにショパン』でトキメキを感じた、あの瞬間のようだ。

 鈴愛の娘である以上、花野が母親に似てくることは、遺伝的に自然なことでもあるが、運命的なリンクもいくつかある。その1つが、幼少期での漫画との出会い。そして、鈴愛もまだ幼い小学生の頃に、祖母・廉子(風吹ジュン)を亡くしている。仙吉の死を理解できないでいる花野に、鈴愛はカブト虫に例えて死を説明し、晴に一喝されるが、賢そうに思える花野とは言え、まだ精神年齢は子供。同じ経験をしている鈴愛なりの教え方だったのかもしれない。仙吉の死を理解した花野は、「来てね。すぐ来てね。あっという間に来てね」と人が亡くなることの恐怖を覚え、ココンタを抱きしめ鈴愛を呼ぶ。「オーちゃんはカンちゃんの心の中におって、カンちゃんを助ける。死んでも、人の思いは残る」。鈴愛をはじめとした楡野家が、廉子はカエルになってみんなのそばにいると信じているように、仙吉の存在も家族の中に残り続ける。それを仙吉の最期に立ち会った花野にきちんと伝えたかったのだ。

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