『花のち晴れ』今田美桜と飯豊まりえの恋が切ない 音を支える愛莉とめぐみの徹底的な強さ

 彼女たちはもうただの「ヒロインのライバル役」ではない。ヒールに徹し、ヒロインの魅力を助長させるためにいるキャラクターではないのだ。はじめこそ、恋における一つの試練としての位置付けであったが、今ではヒロインの成長を助け、見守るキャラクターとして描かれている。実際に、愛莉は音の本音を探るような発言を多くしており、音の本当の気持ちを受け止めようと向き合っている。さらにめぐみは、自分が恋している晴が音に好意があることをわかっていながら、音の良さや魅力を真正面から受け止め素直に認めている。彼女たちの音と向き合う徹底的な強さは、このドラマで一番安定感のないヒロインの音を、両脇からしっかりと支えているのだ。彼女たちの存在によって、ようやく建前で塗り固められた音の本音が垣間見えている。

 同ドラマの女性キャラクターには三者三様の魅力がある。決して、音が不安定ゆえに魅力のない女性なわけではない。しかし音の魅力というのは、愛莉がいて、めぐみがいてこそさらに光るものなのではないだろうか。音がヒロインである以上、音以上に幸せになることはないであろう2人のキャラクター。この2人にはそれぞれの幸せを見つけ、羽ばたいてほしいと願う。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『花のち晴れ~花男 Next Season~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:杉咲花、平野紫耀(King & Prince)、中川大志、濱田龍臣、飯豊まりえ、今田美桜、鈴木仁、中田圭祐、反町隆史、佐々木すみ江、デビット伊東、木南晴夏、堀内敬子、テット・ワダ、志賀廣太郎、高岡早紀、滝藤賢一、菊池桃子
原作:神尾葉子『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:大間々昂
主題歌:「シンデレラガール」/ King & Prince(Johnnys’ Universe)
プロデュース:瀬戸口克陽
協力プロデュース:齊藤彩奈
演出:石井康晴、坪井敏雄、岡本伸吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/hana_hare/

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