『花のち晴れ』四角関係が終息し、再び三角関係に? 家族に縛られた天馬、音、晴の恋愛観
天馬、音、そして晴の恋愛観には少なからず家族が影響している。天馬にとって音は母親を失った悲しみを癒してくれた恩人で、音は天馬の素晴らしさをよく知っているつもりだが、天馬を選んだのは頼りない母親のためであり、かつての家族の暮らしを取り戻すためという理由も含んでいる。そして、晴はと言うと、神楽木家の人間であることを父親に認められたい一心で、メグリンとの交際もその歪な気持ちゆえのものだ。
そんな各家庭の事情を鑑みると、自分の気持ちを抑えて本心とは別の相手を選び、好きになろうと努力してきた音と晴の行動が理解できなくもない。だが、メグリンが身を引くことで四角関係が終息し、再び三角関係に戻ろうとしている。
原作と異なる展開が続き、音をめぐって晴と天馬が剣道、弓道、柔道の武道3種で直接対決する益荒男祭は、晴の父親である巌(滝藤賢一)がけしかける形で決定した。天馬は武道の達人。晴に圧倒的不利なこの対決は果たしてどうなるのか。
LINEで告白するのがごくあたり前なこの時代に、天馬と晴の2人ともが臆することなく真っすぐに音に気持ちを伝えるところがこのドラマの見どころのひとつだろう。ラストシーンでは、晴が路上で後ろから音を抱きしめながら、天馬から視線を外さずにこう言った。「おまえがちゃんと江戸川を捕まえておかないと、誰かにあっという間に取られるぞ」。「おれに」ではなく、「誰かに」と含みを持たせたのがまた秀逸で、紺野亜里沙(木南晴夏)のセリフを借りれば、「もう青春爆発しすぎ!」。
今回は飛び道具的にモデルのメグリンの撮影カメラマンとしてゴールデンボンバーの喜矢武豊を起用、第10話はいよいよ英徳学園のレジェンド、F4の西門総二郎(松田翔太)が満を持して登場する。物語はクライマックスに向けてまた大きく動きそうだ。
■古閑万希子
ライター。映画評や映画ノベライズを手掛ける。
■放送情報
『花のち晴れ~花男 Next Season~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:杉咲花、平野紫耀(King & Prince)、中川大志、濱田龍臣、飯豊まりえ、今田美桜、鈴木仁、中田圭祐、反町隆史、佐々木すみ江、デビット伊東、木南晴夏、堀内敬子、テット・ワダ、志賀廣太郎、高岡早紀、滝藤賢一、菊池桃子
原作:神尾葉子『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:大間々昂
主題歌:「シンデレラガール」/ King & Prince(Johnnys’ Universe)
プロデュース:瀬戸口克陽
協力プロデュース:齊藤彩奈
演出:石井康晴、坪井敏雄、岡本伸吾
製作著作:TBS
(c)TBS
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