ディーン・フジオカの「Echo」響く 『モンテ・クリスト伯』復讐鬼に未だ宿る切なき愛に涙

 1人目の死者が出たこともあり、シリアスな雰囲気で進んでいった第5話。そんな中で、真海と目黒すみれ(山本美月)が星空の下で言葉を交わすシーンにはホロリとさせられるものがあった。真海と暖を心のどこかで重ねてしまっているすみれ。何度も彼と会うことを試みてきたが、残念ながらこれまで叶わずにいた。しかし、江田愛梨(桜井ユキ)のイタズラにより、すみれは真海の別荘に招かれることに。同シーンでの小籠包で静かに大やけどを食らった猫舌の真海にはなんだか愛くるしさを覚えたが、彼がすみれの前で暖の要素を必死に隠そうとする姿は胸を締め付ける。

 その後、バルコニーに出た真海をすみれが追い、世界は2人だけになる。早々と立ち去ろうとする彼の腕を掴み、「真海さんは、今幸せですか?」と聞く彼女の健気さはもちろん、記憶の中のすみれだけを生かす真海の堅い決意からは、互いにまだ思いやりが残っていることを感じさせる。また、このシーンで挿入されたディーンが歌う「Echo」もエモーショナルに響いていた。今回はイントロ部分が使用されていたが、同じ楽曲であるのに各エピソードで異なった色を加える「Echo」のおもしろさも同時に感じられた回だった。

 さて、忘れてはいけないのが、真海に“イタズラ”を仕掛けてしまった愛梨だ。第3話同様、愛梨は真海にまたがり、お説教されていたが、物理的に下にいる真海が、愛梨を見下すように話すスタイルは心臓に鳥肌が立つ感覚を覚える。

 次なる標的は南条幸男(大倉忠義)。「すみれはもう死んだ」と語る真海は、幸男の宝物であるすみれを壊すように愛梨に命じた。暖を密かに想うすみれと、真海の腕に堕ちる愛梨。ディーンを巡る2人の女性が今後どんなバトルを見せていくのだろうか。

(文=阿部桜子)

■放送情報
木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、渋川清彦、桜井ユキ、三浦誠己、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』
脚本:黒岩勉
プロデュース:太田大、荒井俊雄
演出:西谷弘、野田悠介
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/MONTE-CRISTO/index.html

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