坂口健太郎、“静”の演技で共演者を際立たせる 『シグナル』で見せる主役としての重み

 たとえば、『重版出来!』では、望まない部署で3年間異動願いを出し続けてくすぶっていた営業部員の小泉純を演じた坂口。主人公で漫画雑誌『週刊バイブス』の新人編集者、黒沢心(黒木華)を応援しているうちに影響を受け、仕事の楽しさややりがいを見つける役を好演した。

 『東京タラレバ娘』では、恋に仕事にもがき、悪戦苦闘するアラサー鎌田倫子(吉高由里子)に毒舌を吐く金髪イケメンモデルのKEYを演じたが、ドS金髪キャラには予想以上の反響があった。というのも、東村アキコの同名人気漫画のドラマ化作品であるが、K-POPグループSHNeeのKEYがそのまま実在モデルだとSNS上でも話題になり、KEYを演じた坂口も日本のみならず韓国はもちろん、アジア各国での知名度もアップしたのだ。

 韓国で「好きな日本人俳優」と聞くと「坂口健太郎」の名前を挙げる人が多くなっているという。奇しくも、韓国ドラマをリメイクした『ごめん、愛してる』、そして本作『シグナル 長期未解決事件捜査班』も韓国をうまく現代の日本に置き換えることに成功しているが、その要因の一つとして坂口の好演があることは間違いないだろう。

 『シグナル』の三枝は、独学でプロファイリングを学び、内に秘めた情熱を持っている。しかし、目の前にいる相手を心から信用することができず、クールに振る舞いモヤモヤした感情から逃れることができない。自分を表現する手段がたくさんあるにも関わらず、目の前にいる相手に心から打ち解けることができない、三枝と同じように不完全燃焼な自分を感じている人がいかに多いことか。その多くの人が、坂口健太郎が役柄を通して成長していく姿に自分を投影し、心揺さぶられるのではないだろうか。

■池沢奈々見
恋愛ライター、コラムニスト。

■ドラマ情報 
『シグナル 長期未解決事件捜査班』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:坂口健太郎、北村一輝、吉瀬美智子、木村祐一、池田鉄洋、甲本雅裕、渡部篤郎
脚本:尾崎将也
演出:内片輝、鈴木浩介
音楽:林ゆうき、橘 麻美
プロデューサー:萩原 崇(カンテレ)笠置高弘(カンテレ)石田麻衣(ホリプロ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/signal/index.html

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