高橋一生が選んだ葵わかなとの歩み 『わろてんか』恋愛を超えた“パートナー”の関係性

 およそ半年間にわたって放送を続けてきたNHKの連続テレビ小説『わろてんか』が、明日3月31日の放送をもって最終回を迎える。セミファイナルとなった3月30日放送の第150話では、キース(大野拓朗)にアサリ(前野朋哉)、亀井(内場勝則)や万丈目(藤井隆)ら北村笑店の家族が次々と帰ってきた様子が描かれた。

 てん(葵わかな)が再会を果たした家族の中には、本当の家族である息子の隼也(成田凌)の姿もあった。第143話では、隼也が入隊前にてん(葵わかな)の元を訪れた際、そこに居合わせたリリコが別れを惜しむように隼也を抱きしめ、てんはその様子を寂しそうな眼差しで見ていた。さらに、リリコが、「ん? 何や。あんたも抱き締めたいんちゃうか? 代わったろか?」と気を遣い声をかけたものの、てんは「何アホなこと言うてますの! もう」と素直になれずにいた。だが、戦場から戻った隼也を見つけるやいなや、「お帰り……お帰り」と涙を流したてん。隼也をやっとの思いで抱きしめ、本当の意味での親子の絆が取り戻された瞬間だった。 

『わろてんか』第143話(提供=NHK)

 焼け跡の寄席から新生北村笑店の船出に向け仲間たちが集結したと思えば、早速、北村笑店の歴史を笑いで描く人情喜劇の上演が決定する。「もう、大丈夫」。きっとそう思ったてんは、これまで世話になってきた伊能(高橋一生)に「北村に気兼ねのうご自分のやりたいことをやってほしい」と伝える。当初、北村笑店再開のため大阪に戻ったものの、落ち込んでいたてんを奮い立たせてくれた伊能。北村笑店の一員として会社再建を手伝った伊能の前向きさに触発されててんは、笑いへの情熱を思い出していった。ようやく自分の脚で立てるようになったてんは、伊能の邪魔をしたくないと思ったのだろう。 

『わろてんか』第149話(提供=NHK)

 しかし、伊能はその申し出を断る。伊能が目指す新しい映画や劇場の先には「大人も子供もワクワクするような街を再建したい」という大きなゴールがあった。その夢を果たすため、生涯のパートナーとしててんを選び、「これからも一緒にやっていってくれないか」と手を差し伸べた。

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