吉岡里帆、“共感できない”難役を熱演! 『きみ棲み』キョドコを応援したくなるワケ

 そもそも今日子というキャラクターは誰が演じるにしても難しい役だと思うが、本能的、感情的に動かされてしまうこのキャラクターを、理性的に解釈することによって吉岡はものにしている。揺るぎない意志の強さで女優としてステップアップを果たしてきた吉岡と、何があっても頑張る(その理由は星名のためとはいえ)今日子の姿勢は、ある部分では近しいものがあるのかもしれない。

 それにしても、今日子が吉崎に電話で喜びの報告をするシーン、嬉々として電話を終えた途端「何かやましいことをしている気持ちになるのはなぜだろう」と我に返るシーンはもはや戦慄ものだった。そんな今日子の姿をじっと観察する星名が後ろに現れた時には、恐怖を超えて笑ってしまった程だ。観るには辛すぎる部分も多く、今日子の危なっかしい振舞いにハラハラもするが、挙動不審なりに頑張る今日子、そして、難解なキャラクターを体当たりで表現する吉岡に、それぞれエールを送りながら見届けていきたい。

■橋本美波
1990年神奈川県生まれ。山形国際ドキュメンタリー映画祭などでライティング/編集を経験。

■放送情報
TBS火曜ドラマ『きみが心に棲みついた』
毎週火曜22:00〜放送
出演:吉岡里帆、桐谷健太、石橋杏奈、ムロツヨシ、鈴木紗理奈、瀬戸朝香、向井理
原作:天堂きりん「きみが心に棲みついた」「きみが心に棲みついたS」(祥伝社フィールコミックス)
脚本:吉澤智子、徳尾浩司
プロデューサー:佐藤敦司(ドリマックス・テレビジョン)
演出:福田亮介(ドリマックス・テレビジョン)
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/kimisumi/

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